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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章
「あったかい……」
数分後。
ようやく落ち着いたヴィヴィは、まだ匠海の上にいた。
細い掌で自分の腹を押さえるその姿は、心底嬉しそうで。
うっとりと零れるその声は、世界中の幸せを独り占めしたかのよう。
灰色の瞳に浮かぶのは、満足気な色。
先程まで感じていた恐怖なんて、嘘みたいに思えてくる。
ヴィヴィと匠海は、ずっと一緒。
自分の中にたっぷり注がれた兄の愛の証しが、それを未来永劫まで約束してくれている気さえした。
その掌の上に被されたのは、大きな男の掌。
視線をそこからシーツの上の匠海へと移せば、
切れ長の瞳はじっと食い入る様に、2人分の掌に注がれていた。
「お兄ちゃん……?」
「ん……? ああ、……エロくなったなと、思って」
妹の視線に気付いた匠海は、ふっと悪そうに嗤いながらそう虐めてくる。
「……~~っ!? エ、エロくなんてっ」
咄嗟にそう言い返したヴィヴィに、
「ん? ないって?」
しなくていいのに、匠海が追及してくる。
「……っ お、お兄ちゃんの、せい、なんだもん……っ」
もう何の言い逃れも出来なくて、軽く握り締めた両拳で匠海の腹筋をぽかぽか殴り、誤魔化すしかなかった。
(ああ゛……。ヴィヴィ、19歳にして、エロい子に確定……orz)
「ああ、エロいヴィクトリア。大好物だよ」
「……もうっ」
悪乗りしてくる兄に、ヴィヴィは頬を膨らませて怒ったふりをする。
しかし、
「もっと、エロくなる?」
その兄の意地悪過ぎる誘導に、馬鹿で堪え性のないヴィヴィは、簡単に引っ掛かってしまう。
「…………っ なるぅ」
(だって、だってだって……っ 足りない、んだもん……)
匠海はいつも、1回じゃ終わらないから。
男は兄しか知らないヴィヴィは、全ては匠海が基準だから、先ほどの1回では物足りなく感じてしまう。
「ははっ ほら、おいで……」
かくして、兄の好い様に調教(?)されてしまった妹は、繋がったままバスルームへと連れて行かれ。
その後は、立ったまま後ろから愛されたり、バスタブの中で繋がらされたりと、匠海の好きな様に抱かれ続けた。