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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第111章
9度目となる兄の同伴。
その成果は、帰宅した後の匠海のベッドで、身をもって感じられた。
「頑張ってくれたヴィクトリアに、ご褒美」
そう囁いた匠海は、ヴィヴィの善い様に動き、愛してくれた。
まあ兄はいつも、そうだけれど。
常よりも甘く優しく、1から10までヴィヴィの状態に合わせ、抱いてくれた匠海に、
「……お、ねが、い……っ」
ヴィヴィは喘ぎ過ぎて擦れた声で懇願する。
「ん? もっと?」
存分に色気を滲ませた声音で尋ねながらも、妹に水分を取らせることだけは怠らない出来た兄。
「ち、が……っ」
何故か言い淀んだヴィヴィは、震える腕で匠海の首に縋り付き、黒髪から覗いた耳に小さく吹き込む。
「も……っ こ、ゆうの……ダメ……」
「どうして?」
「…………っ お……溺れ、ちゃう……から」
(ヴィヴィ、えっち、大好きになっちゃう……、こんなに気持ち良い事ばかりされたら、いっっっつもえっちの事ばっかり考える子になっちゃう~~っ)
スケートの時も、大学にいる時も、家族と一緒にいる時も。
その金色の頭の中には「次はいつ、お兄ちゃんとえっち出来るのかなぁ」と、そればかりになってしまいそうで――本当に本当に本当に 恐ろしい。
なのに、
「ふうん……。そうかそうか」
端正な顔に物凄く不釣り合いな にやあと厭らしい笑みを浮かべた匠海。
(あ゛ぁ……っ やっぱりお兄ちゃん、少しずつ、オヤジ化してきてるようぅ~~……orz)
「でもどんなお兄ちゃんでも、愛しちゃうんだろうな」と思ってしまった自分に、ヴィヴィは一番頭を抱えたのだった。