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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第111章
柔らかなパウダーイエローのパーカーの肩をずらされ、
露わになった細い肩紐が、兄の長い指に絡ませられ、肩から外される。
白く肌理細やかな肩に押し付けられる唇は優しいのに、
時折 舐め上げてくる舌の濡れた感触は生々しく、吐き出される息は熱い。
「ブドウ……、食べない、の?」
ちらりと後ろを振り向けば、すぐ傍にある兄の灰色の瞳とぶつかる。
「食べるよ?」
その切れ長の瞳は、面白い玩具を見つけてとても楽しそうだった。
「じゃ……、も……だめぇ」
剥き出しの肩を指で撫でられるだけで、全身の肌が粟立ってしまうから。
「ちょっとだけ、味見」
匠海のその言葉に、ヴィヴィは速攻突っ込んだ。
「……っ え、えっち」
そう言うヴィヴィも、夕刻に別荘に着いた途端に軽くシャワーを浴び、
用意してきた可愛らしいルームウェアに着替えたのだから、人のことは言えないのだが。
肩のラインを降りていく大きな両の掌は、やがてワンピ越しに小さな膨らみを覆った。
ふよんと柔らかく揉みあげられる乳房に気を取られていると、耳の後ろや首筋をべろりと舐め上げられ。
ざらりとした舌のリアルな感触に、ヴィヴィは何かに耐えるように、キッチンに両手を付いた。
「うん……。今日も柔らかくて気持ちいいね。こっちは、どうだろう?」
妹を摘み食いする気満々の兄は、チノパンに包まれた長過ぎる脚で跪き、
パーカーの裾から覗く、ミニ丈のワンピのお尻をやわやわと揉み込んでくる。
しかし、その手はすぐに止まり、
「あ……だ、だめっ」
ヴィヴィの静止を聞かず、ぺろりとワンピの裾を捲り上げた。
「まったく……。エッチはどっちだ」
その匠海の口調は呆れたものだったのに、言葉尻は嬉しさを滲ませたもの。
白地に花柄のワンピの中にあったのは、小ぶりな膨らみ――それだけだった。
「~~っ だってぇ……」
どうやっても言い逃れ出来ないとは分かりながらも、ヴィヴィは無駄な努力をしてみる。
何故なら、途轍もなく恥ずかしかったから。
「だって、何?」
「おにい、ちゃん……。すぐ、脱がしちゃう……からっ」
(お兄ちゃん、ここにいる時、ヴィヴィに一杯触れてくれるから……。下着、すぐ、ぬ、濡れちゃうんだもん……)