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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第111章
斜め下の兄を見下ろしながら苦しい言い訳をする妹に、匠海はワンピ越しに頬を摺り寄せて苦笑した。
「ふ……、それもそうだな」
柔い布越しに大きく揉み込まれ、
その優しい愛撫に、キッチンカウンターの隅を握りながら耐えていたヴィヴィ。
けれど、やがて匠海の掌も唇も、直にその肌を味わい始める。
軽く開いていた両脚の間を、指先が擽り、
それにひくんと反応してしまうあられもない場所を、大好きな匠海に至近距離で覗き込まれている。
ありえない状況に、ヴィヴィは何度も「も、だめっ」と止めたのに。
ぺろり。
まだ固く閉じていた秘裂を舐められた途端、ヴィヴィの両肩がびくんと上へと上がった。
「あっ や、やぁ……」
まだ日も暮れていない時間。
明るいキッチンで、自分の足元に跪いた兄に恥ずかしいところを愛されている。
そんな状況に真っ赤になったヴィヴィは、本当で逃げ出そうとした。
なのに、匠海はがっちりと双丘を掴みあげ、その間に顔を埋めてきて。
「ひぅっ!? だ、だめぇ」
薄い尻の肉と共に広げられスースーとするそこに、這わされる熱い舌。
(こ、こんなの、味見……じゃないのっ)
だって、じくじくしちゃう。
躰の芯が。
味見されて、また、放置されるのに。
一度火が付いてしまった躰は、快楽に従順過ぎるから、
きっと我慢ならなくなって、切ない悲鳴を上げてしまう。
だから、表層を辿っていただけの指先が、膣口に捻じ込まれ様としているのを感じたヴィヴィは、
「あっ で、電話! 鳴ってる!!」
咄嗟に嘘を吐いた。
妹の桃尻を堪能していた匠海も、さすがにその言葉には拘束を緩め、
(今だっ)
ヴィヴィは兄の手を逃れ、キッチンから脱兎の如く飛び出した。
何故か、マスカットを乗せたガラスの皿を、その胸に抱きながら。
「こら、待ちなさい」
兄の楽しそうな声を背に受けながら、ヴィヴィは、
「ぶ、ブドウ……っ」
そう主張して広いダイニングを抜け、てててとリビングへと逃げていく。
大きなソファーに腰を下ろしたヴィヴィは、ゆっくりと傍へ寄ってくる匠海を軽く睨みながら、マスカットを食べ始めた。
うん、やっぱり美味しい。