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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第111章                 

 もう言う事もやる事も、無茶苦茶過ぎる。

 パニック寸前のヴィヴィが、それでなくても大きな瞳を更に真ん丸にして、そこだけは強く主張した。

 ようやく引き抜かれた自分の指に、ヴィヴィは心底ほっとする。

 寛いだ膣口から上がる、とぷりという卑猥な音。

 後孔を伝うどろりとしたそれは生温かくて、少し気持ち悪かった。

「ほら、罰として、もっと奥に出してあげようね」

 膣口に宛がわれたのは、指よりも太く大きな亀頭。

 ちゅぷちゅぷと蜜音を立てながら、その先端だけを含まされて、

 その煽る行為に、ヴィヴィはぐったりと躰を弛緩させた。

「もう、や……」

 今日の兄は意地悪過ぎる。

 気持ち良いけれど、なんか寿命が縮まりそうだし、もう精神的に疲れた。

 なのに、

「ん? ゴムする?」

 そう優しく尋ねられると、ヴィヴィの顔は条件反射の様にくしゃりと歪む。

「……~~っ やだぁ」

 こんなに沢山兄を受け止めたのに、今から避妊するだなんて意味が分からない。

 ましてや匠海は、自分の恋人がまだ青い子宮口にかけられるのを悦ぶ事を、確実に解っている筈なのに。

 何を訊いても「やだ」しか言わない困った妹を、匠海は「可愛い」とあやしながら、いつまでも奥深くまで愛していたのだった。
 





 レースのカーテン越しに差し込む朝日が、ベッドの際まで届いた頃。

 ヴィヴィは深い眠りから目を覚ました。

 後ろから匠海に抱き締められながら。

 長い睫毛を湛えた目蓋が、ぱちりぱちりと物憂げに瞬く。

「………………」

 良く寝た。

 毎朝、習慣で5時に目が覚めるのだが、今日はそれさえ無く熟睡していた。

 それだけ疲れたのだ、昨夜の行為に。

 どうやら “溜まっていた” らしい匠海は、ヴィヴィを片時も離してはくれず、

 いつもは風呂に入ってから眠りに就くのに、昨日はそれさえも無かった。

 だから、ヴィヴィの中には、まだ、

「……っ!? んん……っ」

 膨れ上がる――という言葉ぴったりに、膣内の兄の分身が元気になった。

 中からみっちり奥深くまで押し広げられる感触に、細腰がまるで物欲しそうに揺れる。

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