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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第111章                 

 小さな顔が瞬時に真っ赤に染まる。

 自分からは見えないそこが、兄の太さにくつろいで、はしたなく弛緩している。

 それをまさか、匠海に見られて指摘されるだなんて。

(は……、恥ずかし過ぎて、し、死にそう……orz)

 ぐっちょりと濡れたそこを両手で覆っていたヴィヴィは、逃げる様に横向けに倒れようとしたが、

 小さな膝頭を掌で包み込んでいる匠海によって、それさえも許されない。

「ヴィクトリアの、ベビーピンクのこの中、覗いてもいい?」

「っっ!? だっ ダメっ!!」

(な、何、言いだすんだ、この人は――っ!?)

 先程から信じられない事ばかり言ってくる兄に、振り回されてばかりのヴィヴィ。

 それでも絶対に、自分の意志だけは主張した。

(ありえないありえないありえない……っ)

「ふうん? 残念。じゃあ、指で確認しようかな」

 何故か余裕綽々で妹を虐め続けてくる匠海に、ヴィヴィは眉を顰める。

 が、自分の返答を待っているらしい兄の視線に気付き、

 やがて、隠していた両手をゆっくりとずらしていく。

「――して?」

「ん?」

「……はやく、蓋……して……?」

 虐めないで。

 切ないの。

 躰も心も、一分一秒でも早く「お兄ちゃんが欲しい」と哭いているのに。

「ああ、そうだね。ヴィクトリアの愛らしい大切な場所に、俺の “これ” 以外が入ってしまわないように、早く蓋――してあげないと」

 そう囁いた匠海の双眸は何故か濁り、その奥には沈下しきれない火種がぶすぶす燻っているように見えた。

 そんな兄を不思議に思いながらも、見惚れていたヴィヴィを、匠海は一気に貫いた。

 最奥まで銜え込まされたあまりの質量に、まるで逃げる様に細腰が引き、

 それさえも許さないと、大きな両の掌が、がっちりと太ももを掴み上げて離さない。

「ふぁ……っ んんっ」

「そんなに、欲しかったのか? 凄い、窮屈……っ」

 若干苦しそうにも聞こえる兄の声に、本当に苦しいヴィヴィは、

「…………、ほ、し……い……」

 眉根を寄せて、そう懇願した。

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