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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第30章                               

 口々に悔しそうにそう発するメンバーに、市川が「いや……なんかお兄さんの陰に隠れて、遠慮がちに舞台見てたから……」と申し訳なさそうに釈明する。

「ご、ごめんなさい。気を遣わせてしまって……」

 焦ってぺこりと市川に謝るヴィヴィに、クリスが

「すみません。ヴィヴィは結構人見知りなので……」

とフォローをしてくれる。

「そうなの? 私、フィギュア大好きでよくテレビで試合とかエキシビとか見るけれど、いつもはきはきしてて人懐っこそうなイメージだったよ?」

 篠笛奏者の山田が不思議そうにヴィヴィにそう問いかける。

「う~ん。たぶんスケートモードの時は、人見知りが出ないらしくて……?」

 自分でも不思議そうに首を傾げるヴィヴィに、近くにいた父グレコリーが口を挟む。

「違うよ。ヴィヴィは末っ子だから、基本的に『甘えんぼ』なんだ」

「え~、そんなことないもん!」

 匠海に負けず劣らず長身の父は革靴の底をコツコツと音を立てながらヴィヴィに近づいてくると、可愛らしく唇をとがらせて見せる娘の金色の頭に大きな掌を乗せる。

「いいや。皆は気づいてないだろうけれど、俺はずっと気づいてたぞ? ヴィヴィは匠海が傍にいると『人見知り』を発動するんだ」

「え……?」

 父グレコリーの意外な指摘に、ヴィヴィは驚いて目をぱちくりとさせる。

「スケートの時は隣に寡黙なクリスと、鬼コーチモードのジュリアンしかいないから、人見知りしていたら場が成り立たなくて、自分から一生懸命周りに打ち解けようとしている。一方匠海が傍にいると、自分が回りにすぐに馴染めなくても匠海が甘やかして溶け込まそうとしてくれるから、『人見知り』を発動するんだ」

「…………っ」

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