この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第112章              

 子宮が喜びに咽び泣いていた。

 女で良かったと心の奥底から思えたのは、この時が初めてだったかもしれない。

 それほどに、この日の匠海との交わりは、

 濃厚で、耽美で、初めて経験する事の連続だった。

「……ぁ……、くぅ……ふぁ……」

 匠海はまだ、吐精の興奮冷めやらぬようで、

 妹の名を囁きながら、常と同じように最奥に白濁を塗り広げていた。
 
 ヴィヴィはといえば、失神はまのがれたが、もう放心状態で。
 
 びくびくと引き付けを起こす躰を、兄の前に放り出すだけだった。

 やがて少し回復した思考の中、ヴィヴィは兄を責め始める。

 なんで、今日だったんだろう。

 どうして、五輪前の今だったんだろう。

 もうちょっと、待ってくれても良かったんじゃないか?

 こんな気持ちの良い事が、まだあっただなんて――。

 例えヴィヴィの奥が感じるようになっている、と気付いていたとはいえ、

 世界選手権が終わってゆっくりしてから、気付かせてくれたって良かったんじゃないだろうか?

「ヴィクトリア……?」

 抱擁を解いた匠海が、腕の中のヴィヴィを不思議そうに見下ろしていた。

「鬼……っ 悪魔っ」

 涙を滲ませながらそう詰ってくる妹に、匠海は少々間抜けな表情で「は?」と聞き直してくる。

「~~っ 人でなしぃっ へ、変態……っ」

「え~と……、ヴィクトリアさん?」

 情事の甘い余韻を吹き飛ばす酷い罵詈雑言に、匠海は困った様におどけてくる。

「……~~~っ ふぇええんっ」

 ガキ丸出しの声で泣いたヴィヴィは、目の前の兄に両腕を伸ばして「抱っこしろ」と言外に強請る。

 要望通りに抱き締めてくれた兄に、ヴィヴィは必死に縋り付いた。

 こんな深い絶頂があるだなんて、知らなった。

 女の一番大事な部分を蹂躙されて、得られる愉悦がこれ程のものだったなんて。

 こんなに腰砕けになり、全身で感じてしまうものだったなんて。

 知ってしまった今、ヴィヴィはもう兄に骨抜きにされていた。

 今までもそうだったけれど、その更に上を行く程、匠海の事しか考えられなくなっていた。

 少しでも抱擁が緩まると、不安になる。

 兄が離れて行きそうになると、その脚に縋り付き、

 身も世も無く泣き崩れて、懇願してしまいそうになる。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ