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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第112章              

『ヴィクトリア、どうした? ほら、浮き輪に掴まってごらん。引っ張ってあげるから』

 大きな浮き輪を手にした匠海が、夏の眩し過ぎる日差しを受け、魅力的に微笑む。

 その心躍るお誘いにも、ヴィヴィは俯いたままぷるぷると首を振る。

 だって、だって、動けるわけ、無い。

 だって、

 暖かなものが、

 ドロリとしたものが、
 
 一杯、いっぱい、溢れて。

 ヴィヴィの恥ずかしいところから、溢れて――。

『ふ……。しょうがないな』

『……――っ!?』

 兄の苦笑に、ヴィヴィは両手を海水の中で握り締めて絶句する。

(しょ、しょうがないってっ!? お、お兄ちゃんが、さ、さっき、あんなに、するからぁ~~っ)

 朝食の前に、いっぱいしたのに。

 朝食後、いざ水着に着替えて別荘から海へと降りようとしたヴィヴィに、

 また欲情した匠海が、恥辱の限りを尽くしてきて。
 
 そして、そのまま、海へ――。

 当然、コーラルブルーの水着の中は、凄い事になってしまっていて。

(お、おにいちゃんが、悪いんだもん……っ)

 もう一歩でも動いたら、水着の中から零れてしまう。

 匠海がヴィヴィの奥底に注ぎ込んだ、欲望の白濁が。

 ぱしゃぱしゃと水の音を立てて近付いてくる匠海。

 小さな顔を真っ赤にして泣き出す寸前の妹を、兄は砂浜側に立ってその身体の陰に隠すと、

 手は水着のショーツの底をずらし、指で秘裂を撫で上げた。

『あ……っ あ、あっ だ……めぇ……っ』

 先程まで匠海の太く逞しいものを銜え込まされていた膣口にも、指先が触れてきて。

 耐えられなくて声を漏らすヴィヴィに、

『こら、そんな声で啼いたら、ここで抱きたくなるだろう?』

 匠海は意地悪く煽ってくる。

『~~っ!? やだぁ……っ』

 涙目のヴィヴィが本当に泣く寸前の声を上げる。

 さすがの匠海もまずいと思ったのか、手早く水着の中を海水ですすぐと、元の状態に戻した。

『ごめん。苛め過ぎたな?』

 そう謝った匠海は、ヴィヴィの頭から浮き輪を被せた。

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