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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第31章            

「二人とも初めてのオリンピックで不安だろうけれど、団体戦は皆で戦っているのだから先輩方の大船に乗った気持ちで、どんと構えていつも通り楽しんで滑ってね」

 幹部の言葉に双子はよく通る声で「「はい」」と返事をすると、どちらから声掛けするでもなくお互い向き合って固い抱擁を交わした。心なしかクリスの鼓動がいつもよりも速い。

「頑張ろうね、クリス」

「うん……いつも通りやれれば、上手くいくよ……」

 ギュッと抱きしめ合う双子だったが、直ぐにべりっと力づくで剥がされてしまった。恨めしそうに見つめるクリスの視線の先にいるのはペアのマーヴィン藤堂。

「だ~か~ら! 団体戦ってことを忘れるなよ~。まったくシノシノズには困ったもんだ」

「「シノシノズ――!?」」 

 双子がはもってマーヴィンに聞き返すと、アイスダンスの渋谷兄妹が口を挟む。

「あ~、俺達がシブシブズだから、篠宮双子はシノシノズって?」とアルフレッド渋谷。

「うふふ、なんか可愛いね~」とマリア渋谷。

「え~! なんか兄妹チームだけ、ずるくない?」

 そう言って唇を尖らせたのは、村下佳菜子。

「俺らもあるじゃん! 『花の24歳トリオ』!!」

 日野龍樹はそう言うとソファーから立ち上がり、隣どうしで座っていた村下と羽生の肩を抱いた。

「ネーミングが昭和臭ぷんぷんしてんだよ~!」と苦笑いする羽生。

「え~……じゃあ、私だけハミ子だ……」

 自分を指さしてそう悲しそうな声を上げた宮平は、20歳だし兄弟もいなかった。

「大丈夫~。知子&ヴィヴィ&佳菜は『日本☆美人☆三姉妹』だから~!!」

 そう言って笑い飛ばした村下に、日野と羽生が「☆美人☆かどうかは定かではないけどね!」と突っ込みその場は笑いに包まれた。

「さあさあ、楽しいミーティングはここまで! 明日も朝から公式練習があるんだから、みんなゆっくり休んで英気を養ってね」

 スケ連の人達にそう急かされ、皆は「は~~い!」と素直に言うことを聞いてそれぞれの部屋へと戻った。

 ヴィヴィはクリスと、ジュリアンを筆頭とした双子の関係者で軽くミーティングをすると、宛がわれた私室へと戻りスポーツバックの中をがさごそと漁った。スマートフォンを見つけると、目にも止まらぬ速さでメールを打ち送信する。

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