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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第113章          

「胸は小さいけれど、『可愛い』って、『敏感だ』って、言ってくれたの」

 そう夢見るような声音と指先で辿るのは、薄いあばらの上にある膨らみ。

「ここはよく『キツイ』とか『締まる』って、褒めてくれた……」

 乳房の頂から伝い落ちていく指先は、

 やがて薄い金の毛を湛えたそこを絡めて誘惑する。

「………………」

 目の前の朝比奈は、凍り付いた様にびくとも動かなくて。

「どうかな、無理っぽい?」

「………………」

 何も言ってくれない執事に、歩み寄ったヴィヴィは、その胸に両手を這わせる。

 兄のものとは違うけれど、充分逞しい胸筋に、うっとりと微笑む小さな顔。

「勃ちさえすれば、後はヴィヴィが全部するけど。あ……、ごめんね? 中出しは駄目なんだ……」

 世界選手権が終わったと同時に、ピルの服用を止めていた事を思い出し、そこは念押しする。

「……――っ」

 朝比奈が息を呑んだのが伝わり、

 ヴィヴィは視線だけは執事に送り、ゆっくりと自分の躰を目の前の男に押し付ける。

 けれど、

「……無理、か。しょうがないね……。女性の趣味って、人それぞれだろうし」

 バスローブ越しに腰に触れる朝比奈のそこは、全く反応していなかった。

「……匠海様は、いつも……避妊、されていなかったのですか……?」

 愕然とした表情を浮かべる朝比奈が、何だか滑稽に見えて。

 まるで、自分自身を見ているような錯覚に陥る。

「ヴィヴィがピル飲めない時以外は、してなかった。生が好きだったんじゃない?」

「……――っ」

 少し嘘を交え、けれど真実を告げながら、寄せていた躰を離す。

 執事に背を向けたヴィヴィは、そのまま元いたソファーへ戻り、床に落ちていたバスローブを拾い上げた。

 呆然と立ち尽くす朝比奈の前、華奢な裸体を隠すこともせず、ソファーに腰を下ろし、

 ふっと漏れた嗤いに、執事がこちらを見つめたのが解った。

「そっか。瞳子さんはピル、飲んでなかったんだ……。だから、妊娠しちゃったんだ。ふうん……。ヴィヴィも飲んでなかったら、すぐそうなったかもね?」

 ぺったんこの腹を撫でながら自嘲するヴィヴィ。

「……てください」

「ん……?」

「止めてください」

 そう主を止める声音は、今まで聞いた事の無い、憎悪を滲ませるもので。

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