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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第113章
「……ヴィヴィ。僕にも……」
「ん?」
拗ねた様子の双子の兄に、ヴィヴィは訳が分からずこてと首を傾げる。
「ほっぺにチュー……」
そう言い募るクリスが、本当に可愛らしくて。
「あはは! はい、チュっ」
可愛らしいリップ音を立てて、白い頬にキスを落とせば、
「……やっぱり、可愛い……」
いつも通りの、そのクリスの返し。
そんな双子を銀縁眼鏡の奥の瞳を細め、見守ってくれる朝比奈。
2人の素敵な自分の家族に囲まれて、
ヴィヴィの小さな顔には、久しぶりに自然な微笑みが溢れたのだった。