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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第113章          

 新郎の隣に並んだのは、白いウェディングドレスを身に纏った美しい新婦。

 腰を落とした一同に賛美歌が斉唱され、司祭が高らかに挙式開始を宣言する。

 オルガンの間奏。

 司祭の結婚の儀への導入の言葉。

 驚くほど淡々と進められるその式。

 司祭による意思の確認に、今宵夫婦となる2人は、粛々と返事を返していく。

「神と私達一同の前で、結婚の制約を交わして下さい。匠海さん、貴方は瞳子さんを妻としますか?」

「はい、致します」

「瞳子さん、貴女は匠海さんを夫としますか?」

「はい、致します」

「それでは一緒に誓いを立て下さい」

 そうして2人は結婚誓約書を手に取り、誓いの言葉を読み上げる。

「「私達は夫婦として、

  順境にあっても、逆境にあっても、

  病気のときも、健康のときも、

  生涯、互いに

  愛と忠実を尽くすことを

  誓います」」

 匠海のその後ろ姿を、ヴィヴィはただただ見つめていた。

 兄が自分では無い女に、愛を誓う。

 私に愛を囁き、

 私の唇を奪い、

 私の奥深くまでをも愛したその口で、舌で、他の女に愛を誓う。

 誓ってくれなければ困る。

 もうお腹の中には、兄の子供がいるのだから。



「私は、お二人の結婚が成立したことを宣言します。お二人が今、私達一同の前で交わされた誓約を、神は固めて下さり、祝福で満たして下さりますように――」

 司祭の声が重く響いた後、花婿は花嫁のヴェールを上げる。

 介添人に差し出される、純白のリングピロー。

 銀色に輝くそれを手にした兄が、ロンググローブを外した瞳子の手を取り――。

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