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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第113章
その他、諸々の事が話し合われたが、
現在の双子のスポンサーである、以下の10社中、
・菓子メーカー : gruco
・生活用品メーカー : P&J
・大塚薬品工業
・日本国際航空
・健康器具メーカー : タニダ
・英国グロッサリーメーカー : フォートナム&メディソン
・京進ゼミナール
・英国アパレルブランド : プリングルス オブ スコットランド
・食品メーカー : 日新食品グループ
・プルーデンシャル・フィナンシャル(英国親会社)、日本プルーデンシャル生命保険
京進ゼミナールだけが今シーズン限りで契約を打ち切る以外は、他の9社のスポンサーは変わらぬ支援を続けてくれる事となった。
しかし、思わぬところで足元を掬われる事となった。
HP上で “双子の所属先と指導者の変更” を掲載した途端、各メディアがこぞって騒ぎ立て始めたのだ。
双子が表に立つ新製品発表会には、取材陣が殺到し。
スポンサー側が「商品と関係のないご質問はご遠慮下さい」と制しても、双子からコメントを取ろうと、何故か皆が血眼になっていた。
そして運悪く、
時を同じくして、世間を騒がせる事実が明るみになった。
「ヴィヴィ、本当の事を言いなさい」
「………………」
松濤のリンク。
ミーティングルームの1室で、ジュリアンは目の前に座らせた娘を詰問する。
そうは言われても、ヴィヴィの薄い胸の中にあるのは「なんで今頃……?」という、戸惑いだけで。
「ヴィヴィ! 言わないと判らないだろう!」
強い口調で促してくるサブコーチに、ヴィヴィはしぶしぶ薄い唇を開く。
「……1年の頃……、陰口、叩かれてた事は、ありました……」
そう。
このタイミングで世に出てしまったのは、
『元・五輪金メダリスト篠宮ヴィクトリア選手が、天下の名門・東京大学で虐めにあっている!?』
という、週刊誌の記事だった。
「ヴィヴィ……。何で僕に言わなかったの……?」
妹の隣に寄り添ったクリスが、俯いてしまったその顔を覗き込む。
「………………」
周りに心労を掛けたくなかったし。
しかもその事実を明るみにしても、決して良い方向へと物事は進まない。
そうヴィヴィ自身 判断して――。
だから――。