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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第36章     


 表彰式を終えて金ピカのメダルを貰ったヴィヴィは、明後日のエキシビションの為に再度平昌入りしたペアの棚橋、藤堂組、アイスダンスの渋谷兄妹、男女シングルの各選手と各局の五輪ブースを回った。

 どのテレビ局でも、団体戦で見事銅メダルを取り個人戦でも全員が8位入賞を果たしたスケート陣は高く評価され、和やかな雰囲気で撮影が進んでいた。

「実は日本チームには秘められた勝利アイテムが存在するとの情報を耳にしたのですが?」

 深夜とも呼べる時間、某テレビ局のブースで東京のスタジオから中継で日本チームにそう質問が飛ぶ。

「はい。実は全日本選手権が終わった直後、羽生リーダーがみんなの分を用意してくれていたんです!」

 村下佳菜子が皆を代表してそう口を開く。

「へえ、見せてもらってもいいですか?」

 韓国スタジオのアナウンサーが皆に向かってそう言うと、10人はそろって左手をカメラにかざした。金色に輝く細い指輪以上に、皆の表情が輝いているのがヴィヴィにはとても嬉しかった。

 個人戦に入賞できたからといっても、皆が表彰台に登れたわけではない。それでもプレッシャーに負けて惨めな演技をしたり、怪我のために力を出せなかったりという選手はいなかった。

 皆が自分の今出来ることをやり、持っている力を出し尽くしての順位だからこんなにも誇らしげなのだ。

 指輪のエピソードを披露し、団体戦のハイライトが放送されると、各個人の演技を振り返る。

 ヴィヴィは自分のFPの演技はまだ一度も目にしていなかったので、目の前のモニターを食い入るように見つめていた。

 ヴィヴィのFPのハイライトが流され、キスアンドクライで口を大きく開けたヴィヴィの映像に切り替わると、スタジオ中に大きな笑いが漏れる。ヴィヴィはクリスを見つめ、首を竦めた。しかしそれだけでは終わらなかった。

「そしてこの映像――」

 アナウンサーの言葉になんだろうとモニターに目をやると、画面の中には匠海に抱き着いて号泣するヴィヴィが映し出されていた。

「なっ…………!?」

 まさかマスコミに撮られていたとは知らず、画面を凝視したヴィヴィはみるみる顔を赤らめ、あまりの恥ずかしさに両手で顔を隠した。

 すざまじい泣きっぷりに、チームの皆からも口々に冷やかされる。

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