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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第38章
「ヴィヴィ、顔、真っ赤だぞ?」
「……――っ!!」
ばっと音がしそうなほど素早く、ヴィヴィは両手を自分の頬へと当てた。指の腹に伝わる熱すぎる体温で、どれだけ自分が赤面しているかが分かる。
くすり。
隣から匠海が苦笑する声が聴こえる。
恐る恐る視線をやれば、可笑しそうに笑いを堪えている匠海がいる。
「――――っ!?」
(ま、また、からかわれた――つ!?)
ヴィヴィはようやく匠海の企みに引っかかった自分に気づく。
『イイ所』と艶っぽく囁けば、一応女子高生で思春期真っ只中の妹は、必ずそういう恥ずかしい発想に至ると読まれていたのだ。
そしてそれに乗せられて恥ずかしい妄想をしてしまったヴィヴィは、匠海に何も言い返すことが出来ないことにも気づく。
「おっ……お兄ちゃんの、えっちっ!!」
ヴィヴィはそう小さく叫ぶ。ハンドルを握った匠海はというと、「くっくっくっ」っと忍び笑いをしている。
(もう……っ!!)
ヴィヴィは白いショートパンツから伸びた太ももの上で、拳を握り締めて羞恥に耐えたのだった。