この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第39章        

「ん……? あ、ヴィヴィがね、休み時間に『デートってどんな事するの?』って聞いたら、みんなでチューターグループ(日本で言うホームルーム)の時間を使って教えてくれたの」

「チ、チューターグループ? って、先生も一緒に?」

 どんだけ自由な学校なんだ……と匠海は心の中で突っ込む。

「チューターグループなんだから当たり前でしょ? あ、そういえば、先生からの注意事項があるよ」

「な、何?」

 嫌な予感がするのかどもった匠海に、ヴィヴィはくるりと後ろを振り向くと、匠海の腰に両腕を巻きつけてぴたりとしがみ付いた。そして匠海を見上げて悪戯っぽく笑う。

「『避妊はちゃんとしなさいね』っだって」

「ぶほっ!!」

 匠海が間抜けな声を発して咽る。

「お、お前……デートの相手、俺だって言ってるのか?」

「言ってないよ。っていうか『ヴィヴィがデートする』とは一言も言ってないもの。『デートってなにするの?』って聞いただけだもん」

 ヴィヴィは悪戯っぽく小さな舌をペロッと出して笑った。

「はあ……パスタ茹で始めるから、離れなさい」

「え~……、もうちょっと、『いちゃいちゃ』するの」

 ヴィヴィはそう言って駄々を捏ねると、匠海の胸に顔をうずめた。

 本当はヴィヴィだって、こんな風に甘えるのは2年ぶりだし、恥ずかしい。胸だってどくどくとこれ以上ないほど煩い。

(けれど、今日は……)

「俺達は兄妹なんだから、それはしなくていいの」

 ヴィヴィの肩をぽんぽんと叩く匠海は、そう冷静に返してくるだけでハグしようともしてくれない。

「え~……したい」

 ヴィヴィは寂しくなって、さらに匠海の黒いバスローブの腰にしがみついた。

「まったく……聞き分けのない子は、こうしてやる」

 そう言った匠海は、何を思ったのか自分の左手でヴィヴィの鼻から下を覆った。

 ヴィヴィが「んっ!」と可愛い声を上げて胸をときめかせる。が、それも一瞬で――、

「に、ニンニク臭い~!!」

 ばっと匠海から離れたヴィヴィは、自分の鼻を両手で覆ってそう叫んだ。

「あはは、言うこと聞かないからだ。顔洗ったら取れるかもよ?」

 匠海はしてやったりとニヒルに笑うと、「もう、お兄ちゃんのバカ~っ!」と泣き声を上げながらバスルームへと走って行ったヴィヴィに構うことなく、調理を再開した。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ