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第40章 　 　 　　

　その一方で、匠海は指の攻めは止めなかった。

　まだ誰も受け入れたことのない慎ましやかな膣口は匠海の愛撫でゆるゆると緩み始め、今や匠海の指先に吸い付いていた。

　匠海がヴィヴィの唇の数ミリ先で熱い息を吐き、それは熱となってさらにヴィヴィの唇を震わせる。

（キス……したい……、お兄ちゃんと……）

　触れそうなのに触れてこない焦らすような匠海の唇が欲しくて、ヴィヴィは縋っていた匠海のジャケットから手を放し、両腕を伸ばして匠海の首へと縋り付いた。

　二人の距離がさらに近くなる。

　目の前の形のよい唇に吸い付いたら、どんな甘露な味がするだろう……。

　自分の唇で食（は）んで心行くまで味わえたら、どんな心持ちだろう……。

　その誘惑に抗えず、ヴィヴィが自分から唇を寄せようとした、その時――、

「ひゃんっ！　っ……あっ……ぁあっ……」

　匠海が狙い澄ましたかのように、ヴィヴィの蜜口に人差し指の先端を埋めてきた。

　ヴィヴィの解れ具合を確かめるように、ゆっくりと何度も出し入れされる指先。

　それは第一関節さえも膣に収まっていなかったけれど、ヴィヴィには強すぎる刺激だった。
　
　自分の膣内の粘膜を、ゆるりと指先で辿られる快感。

（お兄ちゃんが……ヴィヴィのなか……触ってる……っ！）

　静かなリビングにぴちゃぴちゃと微かにする水音。

　そしてヴィヴィの濡れた唇から引っ切り無しに漏れる、あまりにも愛らしい嬌声。

　自分の漏らす声までにも煽られ、ヴィヴィの華奢過ぎる肢体が小刻みに震えだした。

（もっと……もっと……お兄ちゃん……）

　もはやキスをしたいという欲求さえも吹き飛び、ヴィヴィは匠海の首に縋り付いてその耳元で甘く哭くだけ。

「はぅ……あぁん……あっ……やぁ……もっ、と……」

　恥ずかしさよりも気持ち良さが勝り、ヴィヴィはいつの間にかもっとと強請って小さく腰を揺らしていた。

　そんな痴態を見せる幼いヴィヴィに匠海も興奮しているのか、体温が上がった逞しい首元からはいつもより強く香水の香りが立ち昇る。
　
　ちゅぷちゅぷと水音が大きくなり、匠海の指の動きも早くなってきた。

　薄い花弁に蜜を塗り広げながら、時折焦らすように少しだけ膣口に含ませてくれる指先。

「やぁ……い、じわる……しちゃ……ぁんっ」