この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第41章      

「あ、あそこなんて、どうですか?」

 ヴィヴィは進行方向にあった『和食レストラン』という看板の店を指さす。

「え……あれ、ファミレス居酒屋だけど、いいの?」

「ファミレス!? 入ったことないので、行ってみたいです!」

 ヴィヴィが瞳を輝かせて身を乗り出す。真行寺にはそんなヴィヴィの反応が新鮮に映るらしく、笑いながらファミレスの駐車場へと車を停めた。

 個室の部屋が連なる一室に通されたヴィヴィは、吟味してメニューを注文した。

 ヴィヴィがサバの味噌煮定食を、真行寺が生姜焼き定食を頼みそれぞれが配膳された。

 胸の前で手を合わせて「頂きます」と言って嬉しそうにサバに箸を付けたヴィヴィだったが、何故か向かいの真行寺が食べ始めていないことに気づき、顔を上げる。

「どうしました?」

「いや……ヴィヴィちゃんって、西洋人形のように可愛いから……クロワッサンとか、パスタとか、マカロンとか……そういうものを食べてるイメージがあって……」

 真行寺の言葉に、ヴィヴィは金色の頭をこてと傾げる。

「幻滅させました?」

「ま、まさか」

 焦ったように否定する真行寺にヴィヴィは微笑む。

「和食が一番好きですよ。ずっと日本で育ちましたし、カロリーコントロールもしやすいですし」

「そっか、トップアスリートだもんね」

 その後「実は聞きたくてうずうずしてたんだけど……」と真行寺が切り出し、フィギュアスケートやバレエの情報、振付師や音楽の選別方法等、ヴィヴィは食事をしながら聞かれたことを丁寧に説明した。

 お会計を済まして車に戻ると、真行寺はナビを操作しながら、

「そろそろ、送るよ」

と言ってきた。

「え……?」

 驚いた声を上げたヴィヴィに、振り返った真行寺が微笑む。

「まだ遊びたりなかった? でも遅くなると、匠海さんもご家族も心配されるよ?」

 華奢な腕に巻かれた時計に視線を落とすと、時間は20時を指していた。

「……これって、デートですよね?」

 俯いたままのヴィヴィが、そう確認するように呟く

「一応、そうだね」

 困ったように笑う真行寺の声が車内に落ちる。

「抱かないんですか?」

「…………え?」

 俯いたままだったヴィヴィがすっと顔を上げ、隣の真行寺にひたと真正面から視線を合わせる。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ