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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第43章
兄の寝込みを襲うというありえないことをしているのに、ヴィヴィの心臓だけは驚くほど凪(な)いでいた。
ヴィヴィの細い指先が、恐る恐る生地の上から匠海の形を辿る様に滑っていく。
柔らかく、今まで触れてきたものに例えられない何とも言えない感触に、ヴィヴィはもう一方の手も添える。
しばらく指先で触れていると、それは少しずつ硬度を増し、肥大しているような気がした。
やがてボクサーパンツの中で張りつめた匠海のそれが窮屈そうに見え、ヴィヴィはパンツの合わせ目に指先を忍ばせた。
指先に皮膚が触れた感触を捉え、ヴィヴィの指が一瞬びくりと震えた。
しかしすぐに匠海のものを指で探ると、合わせ目から取り出した。
匠海の欲望の証は、兄の3/4を占める日本の血にしては白い肌を、少し赤く充血させた様な色だった。
約二年前に偶然遠目で目にしたことはあったが、もっと生々しいものを想像していたヴィヴィは、無意識にほっと胸を撫で下ろしていた。
ヴィヴィの掌よりも長いそれは先程までの柔らかさから一変、まるで軟骨のような硬さと太さへと変化していた。
初めて自分の手で実兄を勃起させてしまい、今まで静か過ぎるくらい落ち着いていた鼓動が少しずつ早くなっていく。
真上に真っ直ぐそそり立つそれを、ヴィヴィは根元に左手を添え、右手でゆっくりさすり始めた。
スベスベした表面と更に硬度と大きさを変化させる匠海の欲望に、ヴィヴィの灰色の瞳は釘付けになる。
「ぅんっ……」
匠海が深い眠りの中で悩ましげな唸りを上げた。
「まだ……起きちゃ、駄目……」
ヴィヴィは掌に包んでいる匠海の欲望に顔を近づけると、息の掛かりそうなほど至近距離でそう呟いた。
薄いけれど艶々とした唇から、可愛らしいピンク色の舌が覗く。
ペロリ。
躊躇なく勃起したその先端を舐めたヴィヴィは、上目使いに匠海の様子を伺ったが、兄が起きる気配はない。
鎮痛剤の副作用がかなり強い事を察したヴィヴィは、両手で長い竿を支えながら、ペロペロと先端を舐めていった。
時折、匠海の太ももがピクリと動く。
カリの淵を舌で辿り、先端の割れ目を舌でつつくと、さらにビクビクと腰が震える。
「気持ち、いい? ……お兄ちゃん」