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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第43章
ヴィヴィの一挙手一投足を直視しながらも、匠海は自由の利かない体を動かしてヴィヴィに抵抗していた。
「もっと口でしたかったけれど……」
そう言ったヴィヴィは、両手を伸ばして匠海の昂ぶりを包み込む。
その途端、匠海が体を捩って必死に逃れようとしたが、いくら軽いヴィヴィとはいえ太ももの上に体重を乗せられて、ほとんど動きを封じ込められていた。
「お兄ちゃんのここ――凄いね……」
掌全体で竿を撫で摩りながら、ヴィヴィは上半身を匠海のほうへと倒しその耳元で囁く。
首を振って必死に逃れようとする匠海に、ヴィヴィは執拗に囁きかける。
「ヴィヴィ……お兄ちゃんが目を覚まして、触れているのがヴィヴィだと判ったら、ここ、小さくなっちゃうんじゃないかと思ってたんだ……良かった……」
「やっ……めろ……っ」
苦しそうに息を乱して喘ぐ匠海を見つめながら、ヴィヴィは昂ぶりをしごく速度を上げる。
「あっ……や、め……っ うぁあっ……!」
「お兄ちゃん、こっち見て……ヴィヴィを見て――」
頭をベッドヘッドに擦り付けながら快感に耐える匠海に、ヴィヴィは切なそうに言い募る。
「気持ちいい? ヴィヴィに舐められて、触られて、気持ちいいの?
――お兄ちゃんは、ヴィヴィの『お兄ちゃん』なのに……?」
「…………っ」
自分が強制的に与えている快楽なのに、まるでそれに身悶えている匠海を責めるようにヴィヴィが耳元で囁く。
もう限界が近いのか匠海は喉を仰け反らせて喘ぐだけで、抵抗は見せなかった。
喘ぎに合わせ大きな喉仏が、滑らかできめ細やかな喉の皮膚の下を上下している。
ヴィヴィは頬を、匠海の首筋へと寄せる。
「お兄ちゃん……好き……」
掌から伝わる匠海の熱に浮かされたように、ヴィヴィはうっとりと呟く。
しかしその言葉は、匠海の耳には届いていなかったようだ。
「ヴィ……ヴィ、ヴィ……っ やめろっ! 出る……っ!!」
妹であるヴィヴィの手で達するのだけは避けたそうな匠海が、必死にそう声を絞り出した。
ヴィヴィは匠海の広い肩に頬を寄せたまま、言われた通りにぴたと両手の動きを止めた。