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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第43章
自分の望んだ事ではないとはいえ、産まれた頃からずっと可愛がってきた実の妹であるヴィヴィを犯してしまったことに、匠海の心は文字通り砕け散っていた。
先程まで男女の睦み合う卑猥な音に満たされていた寝室に、静かすぎる静寂が下りていた。
何分ほどそうしていたのだろう。
ヴィヴィがピクリと小さく震えて覚醒した。
力が入らないのか上半身を匠海に縋り付かせたまま、甘い吐息を漏らす。
「ぁんっ……ヴィ、ヴィ……寝ちゃって、た……?」
掠れた声で可愛らしく尋ねてくるヴィヴィの額に、匠海のキスが下りる。
ちゅっと薄い皮膚に吸い付かれるだけで、ヴィヴィの体がふるりと震える。
「数分、気絶してたみたいだ……そんなに、気持ちよかった――?」
(………………?)
いつも通りの優しい声でそう尋ねてくる匠海に、ヴィヴィはなんとか重い頭を起こすと、戸惑った表情で見つめ返す。
「お兄、ちゃん……?」
「俺のこれ、そんなに気持ちよかった?」
そう言いながら、匠海はヴィヴィの膣内を、己の昂ぶりで下から腰を使って突き上げる。
ぐちゅり。
その厭らしすぎる音に、ヴィヴィの鼓動が高まる。
びくびくと躰を戦慄かせるヴィヴィは、もうイき過ぎて力が入らないらしい。
匠海の首に回した腕だけに何とか力を込め、振り落とされないようにきゅっとしがみ付いた。
「ぁ、あぁん……き、気持ち、よかった……」
頬を薔薇色に染めながら恥ずかしそうにそう告白するヴィヴィに、匠海が笑みを深くする。
(お兄ちゃん……?)
無理やり匠海を犯した自分に、まさかそんな笑顔を再び向けてくれるとは思いもしなかったヴィヴィは、息を呑んでその微笑みに引き込まれた。
「ごめん、な……ヴィヴィが、そこまで思い詰めてた、なんて……知らなかった……」
「そ、んな……っ。お、お兄ちゃんが謝るなんてことなんて、一つもない……!」
「ヴィヴィ……」
いつものヴィヴィに戻ったようにそう言って、顔をくしゃりと歪ませる妹を匠海がじっと見つめてくる。
「ただ……ただ、ヴィヴィを女として、一瞬でもいいから見て、欲しかったの……」
匠海を必死に見つめ返すヴィヴィの瞳には、嘘はなかった。