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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第45章         

「………………」

 一人になったヴィヴィは、近くにあったソファーにぽすりと腰を下ろす。

(お兄ちゃん……今頃、何してるんだろう……)

 本来ならばこの場にもいた筈の、もう一人のパーティーの主役。

 匠海の事を思うと自然に胸元に手が伸びる。そして、そこにあるはずの物が無いことに落胆し、手が滑り落ちる。

(きっと、新しい場所で新しい友人に囲まれて、幸せになってくれている。きっと、その筈……)

 無理やりそう思い込もうとぐっと瞼を閉じた時、

「ヴィヴィ!」

と名前を呼ばれた。

 はっと瞼を開けたヴィヴィが、きょろきょろと頭を巡らす。

「ヴィヴィ! なんか弾いて~?」

 離れたところ、グランドピアノの傍にいたカレン達が、ヴィヴィを手招きしているのが目に入った。

「よ~し、何弾こうかな~?」

 ヴィヴィは小さな顔に笑顔を張り付けて立ち上がると、また腸の縫いぐるみをぶんぶん振り回しながら、友人達の元へと歩を進めた。

















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