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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第47章          

 6月25日~6月27日の3日間。

 双子はDREAMS ON ICEに出演するため、横浜にいた。

 DREAMS ON ICEはフィギュア日本代表エキシビションであり、先シーズンの世界大会で活躍した選手のみに出演が許されるという、名誉あるショーだった。
 
 1日目は夜公演のみ。2日目は昼・夜公演。3日目は昼公演のみ。全国ネットのテレビ局で放送される。

 双子はシニアの先輩方との再会はもちろん、ジュニア時代の友人達との再会を喜び、のびのびと楽しんで過ごした。

 エキシビションでは、ヴィヴィはジュリアンと振付けた『Alice in Wonderland』を初披露した。

 Tea Party や ア・エ・イ・オ・ウ(イモムシの歌)やメインテーマを織り交ぜて、絵本からそのまま飛び出してきたアリスそのものの出で立ちのヴィヴィが、チャーミングに演じてみせれば、観客はとても楽しんでくれた。

 ジュリアンの提案で、演技中、白ウサギの縫いぐるみを子供の客にあげるという振り付けもあり、ヴィヴィ自身もそういうアドリブが楽しかった。

 クリスは、ジュリアンの助けを借りて初めて自分で振付けた、マイケルジャクソンの『Smooth Criminal』、2CELLOS版(2台のチェロのバンド)が馬鹿受けだった。

 ただエキシビションがうまくいっている一方、ヴィヴィはその同時期に、マスコミにあるネタで取り上げられていた。

『あの平昌五輪金メダルのヴィクトリア篠宮が、トリプルアクセルが飛べなくなっている!?』

 そのネタは日本だけでなく、海外にも飛び火していたらしい。ヴィヴィ本人のところに何度もメディアが押し掛け、取材しに来たが、別に隠すことでもないと判断し、ありのままの状況を伝えた。

 DREAMS ON ICEを終えた日の翌日。

「まあ、本当に、飛べてないですしね……」

 クリスを除いた双子チームのミーティング中、ヴィヴィはそう言って両手を上げてみせる。

 回転不足、軸が取れない、両足着氷、転倒。

 それらの一つ修正できたと思ったら、違うところが悪くなる。正直、もうさんざんな状態だった。

「体重も身長も筋肉量も、先シーズンと比べて、何も変わってないんだけどね」

 身体の管理を一身に引き受けてくれている柿田トレーナーが、PCを見ながら当惑した表情で呟く。

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