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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第48章             

「うん、会ったよ」

「そうか。ところでオチビちゃん達は、今日はバレエか?」

 そう言って双子を交互に見つめる父に、ヴィヴィは笑顔で頷く。

「うん。クリスはモダンバレエ、始めたの」

「FPに、必要だから……」

 クリスのFP『牧神の午後』はモダンバレエなので、今までやってきたクラシックバレエとは違うレッスンを受け始めた。

 小さな頃から所々休みながらも通い続けていたバレエスクールは、大きなコンクールや海外のバレエスクールに生徒を輩出している大規模なスクールだったので、モダンのレッスンも力を入れていた。

「そうか。発表会とかには出ないのか?」

「さすがに、そんな時間は取れないよ」

 父の疑問にそう答えたヴィヴィに、グレコリーは残念そうな顔をする。

「じゃあ、今度家で、悪の精カラボスのマイムしてあげる~」

 ヴィヴィがそう言って、隣のクリスを見てにこっと笑う。

「いや、あれも好きだけれど。せっかくならオーロラ姫、やってくれよ」

 昔を思い出したのだろう、父が苦笑しながら愛娘を見つめてくる。

「う~ん……、それは今、ちょっと手こずってるの」

 ヴィヴィは困ったようにそう呟いて、ちぎったクロワッサンを咀嚼した。





 朝食後は勉強、講師を迎えての楽器のレッスンと、双子は昼食を挟みながらそれぞれ行った。

 夕方のバレエのレッスンを控え、ヴィヴィは私室のリビングで朝比奈が入れてくれた紅茶を飲み、しばしの休憩を取った。

 スポンサーの大塚薬品工業の管理栄養士が考案してくれた、低カロリー高タンパクの小菓子を摘まみながらぼうとしていると、眠気が襲ってきた。昨夜、心身共に疲労困憊のヴィヴィだったが、匠海との2ヶ月ぶりの対面で曝された兄の脅威に、なかなか眠りにつくことが出来なかった。

 静かなリビングに、ソファーの背に凭れ掛かったままうとうとする、ヴィヴィの静かな寝息だけが下りる。

 しばらくして、物音ひとつ立てず重厚な扉が開かれ、革靴を履いた足がリビングへと入ってくる。

 それはソファーに寝ているヴィヴィを見つけると、躊躇なくそちらへと歩を進めた。

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