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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第48章
(逞しい……お兄ちゃんの……)
色素の薄い匠海の肌を赤く染めたようなそこに、ヴィヴィの視線が釘付けになる。
そんなヴィヴィを一瞥した匠海の顔は、何故か泣きそうに歪められた。
しかしそれも一瞬で、ヴィヴィの細い両膝頭に、匠海の大きな掌が被せられる。
「ヴィクトリア、ちゃんと拡げろ」
「ん……、こ、う?」
匠海の命令に、ヴィヴィは従順に従い、めいいっぱい膣口が見えるように指を引いた。
ひくりと小さなそこがヒクついたのが、ヴィヴィにも分かった。
匠海がそれを昏い瞳で見下ろすと、
「それでいい――」
と強い声で言いながら、ヴィヴィの中に分け入った。
「―――っ」
ヴィヴィの華奢な躰がぐっと仰け反る。
匠海は躊躇なく一度で最奥までヴィヴィの膣を貫いた。
と言っても、ヴィヴィの中はまだ浅いところを舌でしか解されていなかったので、奥深くはきつく、匠海が強引に捩じ込んだと言ったほうが正しい。
(ふぅ……っ……く、るし……っ )
ヴィヴィは添えていた秘唇から指を外すと、ベッドのシーツを握りしめた。
あんなに大きくて太いものが、自分の膣に全て収められたことが信じられなかった。
「はっ……っ、ふ……、はぅ……っ」
ヴィヴィが何とか力を抜こうと浅い息を繰り返す。
匠海はヴィヴィの膣に挿入したまま、微動だにしなかった。
けれどヴィヴィの中を貫いたものは、ぴくぴくと小さく痙攣しているのが膣壁越しに感じられた。
(やっと……抱いてくれた……。
お兄ちゃんが、自分から……。
自分で誘惑して……だけれど――)
それでもヴィヴィの心の中は満ち足りていた。
薄水色のナイトウェアを纏ったままの小さな胸の奥からは、トクトクと脈動する心臓から、血液と一緒に紛れもない幸福の種が全身に送り出されていく。
「お兄、ちゃん……」
ヴィヴィが掠れた声でそう匠海を呼び、シーツを掴んでいた右手を緩め、上に覆いかぶさっている匠海の頬へと手を伸ばす。
(泣か、ないで……)
匠海の頬に掌を添え、親指で切れ長の目の下を拭う。
そこは濡れてなどいないのに、何故かそうしないといけないような気がした。