この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第8章
『お兄ちゃんが私を抱かなければ! そうすれば、こんな気持ち、気付く筈、無かったのに――っ!』
『…………初美?』
訝しげに見つめる兄に、妹はとうとう本音を口に出してしまう。
『あの日から、お兄ちゃんの事しか考えられないのっ! 夢に……、夢にまで出てきて、私の中に――っ』
ぼろぼろと涙を零す妹を、兄はただ驚嘆し見つめていた。
『初めはショックばかりで、嫌、だったの……。でもお兄ちゃんが必死に、私を求めている顔を見ちゃったら、どんどん、どんどん心の中に入ってきちゃって――っ!!』
その言葉が言い終わらぬ内に、妹は兄の胸の中に抱かれていた。
『お兄ちゃん……、私のこと抱いて? いっぱい愛して? もう誰も私の心に入らないように、お兄ちゃんだけでいっぱいにしてっ!』
そして、コミックのラスト。
2人はセックスをして終わっていた。
紛れもなく実の兄妹は、色んな体位で繋がっていた。
結局、最後まで読んでしまったヴィヴィは、ぱたんと音を立ててコミックを閉じた。
信じられなかった。
“近親相姦は罪” ではなかったのか?
血の繋がった実の兄妹が恋に落ちることなど、あるのだろうか?
「………………」
(お兄ちゃん、と……?)
あの日見た光景が、脳裏によぎる。
女の膣に深々と突き立てられ、何度も出し入れされる匠海の欲望。
良いところを重点的に擦りあげられて、いやらしい蜜を滴らせる女の躰は、
何故か抜けるほど白く、そしてあまりにも華奢だ。
満足そうに兄が見つめる その視線の先にあるのは、
黄金色の髪をふり乱した――自分(ヴィヴィ)。
「あ、あぁ……お兄ちゃっ んんっ …………あ、ダメ! あぁン」
匠海のものを受け入れて善がり狂うヴィヴィは、必死で兄に縋り付くが、
あまりに激しい責めに、意識をやる寸前で。
「ああ、ヴィヴィ。いいよっ すごい……っ 締ま……るっ」
びくびくと胎内で脈打つ匠海を、きゅぅうう と締め上げてしまう。
「あぁッ お、おにぃちゃ――っ!!」