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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第49章
匠海と初めて無理やり躰を繋げた時、ヴィヴィは初めての事だらけで、しかも自分で主導権を握らなければとテンパっていたとはいえ、確かに自分で胸を揉んで匠海を挑発していた。
今となっては信じられないほど、恥ずべきはしたない行為。
本当に自分が馬鹿に思えて情けなくなる、消せるものなら消してしまいたい記憶。
「あ、れは……っ」
顔から火が出そうなほど恥ずかしくて、ヴィヴィは胸を両腕で隠したまま、匠海から視線を逸らす。
「ずっと触れたかった。ヴィクトリアの胸」
(え…………?)
ヴィヴィの華奢な肩がぴくりと震える。
そんな妹の耳元に顔を寄せた匠海が、ヴィヴィにとっては信じられないくらい甘い言葉を囁いた。
「揉んで、舐めて、めちゃくちゃにしてやりたかった」
「……――っ」
(嘘……っ)
匠海が言ってくれた言葉に驚嘆したヴィヴィは、大きな瞳を真ん丸にして上に被さった匠海を見上げた。
匠海はそんなヴィヴィを見下ろしてふっと口の端だけで嗤うと、胸を隠しているヴィヴィの両腕を掴んでベッドへと縫いとめるように拘束した。
(あ、嘘……見られちゃう……っ)
恥ずかしくてギュッと瞼を閉じてしまったヴィヴィに、ぬるりとした舌の感触が襲う。
(え…………?)
ヴィヴィがぱっと瞼を開ける。
自分の目の前で、その小さな膨らみに舌を這わしている匠海の顔があった。
かっと躰が熱くなる。
「あっ……だ、だ、ダメ……っ お、兄ちゃん……っ」
「五月蠅い」
ぴしゃりとそう叱られても、恥ずかしいのだからしょうがない。
なんたって、ヴィヴィは胸が小さいことが、一番のコンプレックスなのだから。
「あんっ や……恥ずか、しい……っ や、めて……っ」
ヴィヴィはあまりの恥ずかしさに心臓が壊れそうなほど早鐘を打っていて、それも苦しくてついつい嫌がってしまう。
「黙れ。これ以上言うと、縛り上げるぞ」
よほどヴィヴィが五月蠅かったのか、初めてそんなことを言う匠海に、ヴィヴィが恐怖で身を捩った。
「や……っ」
匠海が拘束していた両腕を解くと、ヴィヴィはぱっと口を両手で塞ぐ。
これ以上匠海に余計なことを言って、万が一にでも気を損ね、もう抱いて貰えなくならないために――。