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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第50章
濡れた肉厚のそれが、ヴィヴィの口内全てを舐めとる勢いで、敏感な粘膜を擦りあげていく。
その深い口づけに、何故か躰の全てを支配されるような錯覚を覚え、ヴィヴィが恐怖を怯えて躰を強張らせた。
それを拘束している掌で感じ取ったのか、匠海は頬に添えていた掌を滑らせて金色の髪が広がる後頭部を優しく撫で始めた。
匠海の舌の先が擽る様にヴィヴィの上顎を辿ると、何故かヴィヴィの躰がびくびくと戦慄く。
それが面白いのか、何度もそこを舐める匠海に、ヴィヴィが肩に置いた手に力を籠め、離れようとする。
一旦唇を離してくれた匠海だが、また角度を変えてヴィヴィの中に入ってくる。
「んっ……、ふ、ぁ……っ」
匠海の舌は、所在無げに口内の隅に縮こまっていたヴィヴィの小さな舌を見つけると、器用に絡め捕り、まるで味わうように舐めあげてくる。
舌を擦り合わされるたび、ヴィヴィが「んっ」と鼻に抜けるような可愛らしい声を上げる。
ヴィヴィは自分の躰が、徐々に火照り始めているのを感じる。
まだ触れられていない胸の先の尖りが、なぜかじんじんする。
匠海に舌を舐められるたびに、腰がびくびくと震える。
(あ……また、はしたないって、言われちゃう……でも……お兄ちゃんの、気持ちいい……)
ヴィヴィが匠海の口付けに徐々に夢中になり、積極的に舌を絡ませていく。
それは匠海も同じようで、ヴィヴィを拘束する熱い掌や、時折洩れるあがってきた息からも感じられた。
匠海がヴィヴィの舌の裏側をぺろりと舐めあげる。
「ひぅっ……、んん……っ」
二人の唇の間から、切羽詰まったヴィヴィの喘ぎが漏れる。
その白いナイトウェアの背筋に、何とも説明しがたい何かが突き抜けていく。
執拗にそれを繰り返され、ヴィヴィは匠海の肩に置いた手にぎゅうと力を籠め、シャツに縋り付いた。
(お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……っ)
ヴィヴィの躰がびくびくと痙攣し始めたのを感じ、匠海がそっと唇を離して目の前の妹の顔を覗き込む。
その瞳は涙に濡れ、熱に浮かされたように焦点を結んでいないようだった。
匠海はもう一度、ヴィヴィの濡れた薄い唇に吸い付く。
チュッと表層を啄むだけで、ヴィヴィの躰がふるりと震える。