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第50章 　 　 　

　背中の後ろに付いた両手でしか自分を支えられないヴィヴィをいいことに、匠海は執拗にくりくりとヴィヴィの秘芯を虐めぬく。

　気持ちいい。

　鳥肌が立つほど、気持ちいい。

　けれど、それは匠海の亀頭を銜え込んでいる入り口辺りだけ。

　まだ満たされていない奥はというと、ただ締まり続けてその空虚な刺激が切なすぎて、頭がおかしくなりそうになる。

「あんっ　動く、からぁ……っ　ヴィヴィっ、動くから、手、とめてっ……ああんっ」

　そう懇願してやっとクリトリスから指を離してくてれた匠海を、ヴィヴィは泣きそうな顔で睨む。

「いい眼だ」

　そう言った匠海からは焦らされ過ぎたからだろうか、もう滴り落ちんばかりの色気が宿っている。

「……――っ　あぁん……ふ、あ、あっ」

　匠海の顔を睨みつけながら、ヴィヴィは腰を浮かし非常にゆっくりとだが、匠海の竿を自分の中へと埋めていく。

（見られてる……ヴィヴィの恥ずかしいところが、お兄ちゃんの呑み込んでいくところ……見られてる……っ）

　先ほどは苦しいだけだったのに、今は充血した粘膜を固い亀頭で抉られる刺激に、腰が震えそうなほど感じる。

　時間を掛けて呑み込み、最奥と思われるところに匠海の亀頭がこつりとぶつかったところで、ヴィヴィはほうと息を吐きだした。

（やっと、全部、入った……）

　両手だけで支えているのがしんどくなり、一旦腰をベッドに下ろす。

　自分の膣壁がゆるゆると蠕動し始めたのが、手に取るようにわかる。

　匠海を見上げると、先ほどよりは充たされた表情をしていた。

　自分のものが収められたヴィヴィの薄い腹の上を、匠海が掌でなぞる。

　匠海に抱かれ初めて気づいたことだが、兄はいつもそうやって、ヴィヴィの中に自分が入っていることを確認するような仕草をする。

　それもとても満足げな、何かを征服したような表情で――。

　ぼうとその顔を見上げていたヴィヴィに気付いた匠海が、困った顔をした。

「こら、まだ終わりじゃないだろう？」

「え……？」

（お兄ちゃんが「自分で入れろ」って言ったから、入れたのに？）

　てっきり褒められると思っていたヴィヴィは、驚いて匠海を見直す。