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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第50章
(あ……これ、好き……お兄ちゃんの、擦り付けられて……まるで、全身で求められてるみたい……)
ヴィヴィは匠海がイっている間、放心した頭の隅で、そう感じて幸せに酔いしれた。
ぬぷりっと音がしてそちらに緩慢に視線をやったヴィヴィは、匠海が自分の中から己の陰茎を抜き去っているのを見つめた。
空虚になった自分の蜜壺から、粘度の高い物がどろりと零れ落ちているのが分かるのに、もう全身が弛緩して躰を捩ることくらいしかできない。
匠海が己を引き抜いた後のヴィヴィのそこを、何故かじっと見つめているのが視界に入り、あまりの恥ずかしさにヴィヴィはギュッと瞼を閉じた。
自分でも分かる。
まだヴィヴィの膣壁はもっともっとと強請るように、厭らしくうねり、たまにこぷりと音を立ててその膣口から、匠海の注ぎ込んだものを零れ落としているから。
「お、兄ちゃん……」
喘ぎすぎて掠れた声でそう匠海を呼べば、ふっと顔を上げた匠海が、ヴィヴィの躰をベッドに下ろし、自分は全裸のまま寝室を出て行ってしまった。
(………………?)
ぼうとしていると、腰にバスタオルを巻いた匠海が戻ってきた。
まだ力の入らないヴィヴィの躰を、暖かな濡れタオルで清めてくれる。
その手つきがあまりにも優しくて、ヴィヴィの胸がきゅうと疼く。
(昨日も、一昨日も……こんな風に、優しくしてくれてたんだ……)
少しずつ躰の震えが治まり、ヴィヴィは匠海がキャップを外して渡してくれたミネラルウォーターで、喉を潤わせた。
ペットボドルを返したヴィヴィからそれを受け取りベッドサイドに置くと、匠海はヴィヴィの躰を労わる様に自分の胸に抱き寄せてくれた。
お互いのまだ冷めやらぬ肌の熱さが心地よく、ヴィヴィは夢見心地で匠海に躰を委ねる。
(本当に、幸せ……。幸せ、だけど……、
なんで今日は、意識のあるヴィヴィに、
こんなに優しくしてくれるんだろう……?)
少しずつ冷静になり始めたヴィヴィは、匠海に抱きすくめられながらふと疑問に思う。
しかしその疑問は、すぐに解消させられた。
「明後日、帰るから」
頭の上から降ってきた、匠海の冷静すぎるほど冷静すぎる声。