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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第51章      

「じゃあ、スパイラルね。クリスがヴィヴィの左手を引きながらバックで滑って、ヴィヴィはアラベスクスパイラルね」

 クリスに手を引かれながら、ヴィヴィはフリーレッグの右足を200度まで開く。

「これ、クリスもスパイラルしたらどうですかね?」

「あ、それもいいわね」

 ヴィヴィの提案に、同じ入りで双子同時にアラベスクスパイラルをしてみる。クリスは男子選手の中でも飛びぬけて柔軟性が高い(なんとビールマンスピンが出来る)ので、ヴィヴィほどはいかないまでも、美しく180度開脚出来る。

「いい! すごくいい! 綺麗~っ。これ、プログラムに入れましょう」

 振付の古野都先生が感嘆の声を上げる。

 その後色々試し、振り付けも完成させた双子プログラムは、個々のシングルの練習の合間、滑り込むことになった。





 翌日の夕方。

 振付が終わった双子のところに、再度、中京テレビのクルーが取材に来た。

「双子初のペアプログラムとなります、『美しき青きドナウ』ですが、今回のテーマを教えて頂けますか?」

 ミィーティングルームの一室、女子アナウンサーがカンペを手に、双子に尋ねてくる。

「はい。テーマは『社交界デビューする、デビュタントを夢見る少年少女』です」

とクリスが答えると、女子アナは、瞳を輝かせた。

「凄く乙女心をくすぐるテーマですね! 見どころを教えてもらえますか?」

「はい。まず、生まれて初めて、二人でペアをするというところが見どころですね」

 ヴィヴィがにこりと笑って答える。

「そうですね。シングルでは16歳という若さにも関わらずそれぞれ第一線で活躍され、しかもオリンピック・世界選手権の金メダリスト同士のペアプログラム! 世界中のフィギュアファンにとって、まさに垂涎のプログラムですよ」

 女子アナウンサーが興奮気味に続けてくれ、双子は「「ありがとうございます」」とお礼を言う。

「僕が思う見どころは、やはりサイドバイサイドの3回転アクセルですね。僕達らしさが一番出ていると思っています」

 クリスがそう流暢に答えると、女子アナが大きく頷く。

「本当に史上稀にみる、贅沢なプログラムですね!」

「私は『マイム』も見てほしいです」

 ヴィヴィのその言葉に、女子アナが首を傾げる。

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