この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第51章      

 2/4本の確率で着地したヴィヴィが教授達の元へ戻ってくると、いつのまにか合流していたクリスが、手の空いている助手の生徒達に、機械の使い方やデータの見方を教えてもらっていた。

(さすが、メカ好き……)

 リンクから観客席へ出たヴィヴィも、教授にPC上のデータを見せられるが、正直何ことやら意味不明。

「これが3次元DLT法で実長換算した、3次元数表・スティックピクチャですね」

「ほ、ほほう……」

(関節トルク外転? 伸転? この、線グラフ、何……!?)

 意味不明のグラフに目を白黒させたヴィヴィに、教授が苦笑して分かりやすくスライドショットに切り替えて説明を続ける。

「ヴィヴィちゃんのアクセルの明暗を分けるのは、踏切直前の減速と深く沈み込む癖、だと思われるね」

 上下2つの連続写真の違いを、教授がマウスで指し示す。

「減速……沈み込む……」

 ヴィヴィが口元に指を添えながら、ぶつぶつと呟く。

「これは前もって貰っていた、先シーズンの動画を解析したものだけど……」

 次に映し出された画像を解析すると、さらに顕著に違いが明らかになっていた。

「全く、意識してませんでした……」

 ヴィヴィが目から鱗が落ちたようにそう呟く。

「だろうね……本当に微細な違いなんだ。速度にして0.05m/秒、深さにして3mm」

 石井教授の説明に双子チームのスタッフ陣は、

「それは分からないわ!」

と口々に言い合う。

 双子は物心ついたころから毎日、自分の演技やスケーティング技術を動画で確認することを義務付けられていた。なのでお互い、自分自身の不調の理由を冷静に分析出来ると自負しているし、それが今日の双子の強みでもある。

 しかしさすがにそこまでミリ単位の異変には、気付けなかった。

(凄~い……、やっぱプロは違う……)

「でも、なんで……? どうして、狂いが生じちゃったのでしょう……?」

 柿田トレーナーがしらみ潰しに先シーズンとの身体の変化を調べてくれたが、ほとんど変化はなかったのに。

「う~ん……。正直私達にも、狂いが生じるに至った原因は分からないけれど、心理的なものもあるかもしれないね?」

 ヴィヴィの疑問に、石井教授が誠実に答えてくれる。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ