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第52章 　 　 　　

　時折講義内容が分からず、東京に帰ってから確認しようとヴィヴィがノートに書き留めていると、クリスが気づいて解説してくれる。ウェアや衣装といった荷物が多く、さすがにテキスト類を持ってこれなかったヴィヴィに、このクリスの解説は物凄く助かった。

「クリスってほんと、全教科、完璧だよね……」

　ヴィヴィはそう舌を巻いてクリスを誉める。

「僕もう、『高３生・東大特進コース』終わった……」

「――っ　えぇええ～っ！？」

　まだ２年の夏だというのにそんなことを言ってのけるクリスに、ヴィヴィは心の底から絶叫したのだった。