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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第53章          

 ワルツポジションで、時折ヴィヴィをその腕の中でくるくると回転させたクリスは、やがてキリアンポジション(男女左右に並び前に滑る)に移ると、二人のフリーレッグの高さをピタリと合わせたスパイラルへ。

 クリスの片膝の上にヴィヴィを乗せたリフトから、ヴィヴィをお姫様抱っこするリフトへ。

 やがて別れの時――。

 後ろを振り向きながら名残惜しそうに帰ろうとするヴィヴィを、クリスが追いかける。

 クリスを振り返ったヴィヴィが、恥ずかしがって俯く。クリスも照れたように俯く

 ヴィヴィの背後に寄り添ったクリスは、彼女の右手首の下に自分のそれを添えて、優しく持ち上げる

 左手首も同様に、そしてゆったりとクリスに身を委ねるヴィヴィ。

 クリスに支えられて滑りながら、アラベスクで右足をゆっくりと上げていくヴィヴィの純白のシュシュが、少しずつ広がっていく美しい様に、観客席からほうという溜息が漏れる。

 そこからアチチュード(アラベスクの上げた足を後ろに曲げる)のフリーレッグを、クリスの背に添えるようにポジションチェンジ。これはバレリーナである吉野ならではの振り付けだった。

 そしてエッジを変え、バックに滑るクリスと右手を繋ぎながら、双子同時の180度開脚したスパイラル。

 クリスの左肩に手を掛け、右腰を支えられながらお互い向き合った状態でヴィヴィが右足を高く上げる美しいポジションでフィニッシュする。

 ワルツが終わった途端、会場は大歓声に包まれた。

「クリス~っ!」

とヴィヴィが興奮した表情を見せると、

「ヴィヴィ、可愛かった……」

 クリスはそう言って、そのポジションのまま、ヴィヴィのおでこにキスした。
 
 その途端、会場に笑いと黄色い歓声が起こる。
 
 ヴィヴィは「公衆の面前でっ!」と小さい声でクリスをたしなめたが、クリスは小さく舌を出しただけだった。

 スポットライトが消え、双子がバックヤードへと戻り、『おおとり』を務める浅田姉妹とハイタッチをして入れ替わる。

 ヴィヴィは憧れの浅田姉妹プログラムを見たがったが、フィナーレ衣装への着替えで見れなかった。

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