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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第53章          

「ビリケン様……?」

 いつの間にかヴィヴィの後ろに立っていたクリスが、ヴィヴィの写真を見て口を開く。

「そう! 一昨日までお世話になった、大阪名物だからね!」

 ヴィヴィは嬉しそうにそう言って振り向いたが、その隣に立っていた浅田舞依に、

「えっ!? ビリケン様だったの? 私てっきり、ICOCA(関西のICカード)のキャラクターの、吊り目のカモノハシかと……」

と驚かれる。

「え~! どこからどう見ても、ビリケン様じゃないですか~?」

 ヴィヴィが唇を尖らせ、「ほらこの吊り目の感じとか!」と写真を指して力説する。

「う~ん、やっぱりカモノハシにしか見えない……」

 その後そこにいる日本人関係者全てに聞いたが、

「絵がへ――じゃない、独創的過ぎて、わからない」

とクリス以外の誰にも理解されず、ヴィヴィはへこんだのだった。

 そして勿論、皿のファン投票も最下位なのだった。





 名古屋の初日、昼夜公演をこなし、最終日の昼公演を残すのみとなったその日の午前中。

 男子グループナンバーのリハを見守っていたヴィヴィの傍に、なんと浅田真緒が来てくれた。

「真緒ちゃんっ! き、今日が最終日なのですね~……」

 そう寂しそうな声で言い寄るヴィヴィに、浅田が「そだね、お疲れ様」と労ってくれる。

 二人で並んで腰を下ろし話していると、双子の密着取材の為に来ていた毎日放送のカメラマンが、カメラを向けてきた。

「うわ~。真緒ちゃんとのツーショットなら、いくらでも撮って欲しい!」

 そう呟いたヴィヴィに、浅田が少し声のトーンを落として尋ねてくる。

「アクセル……どんな感じ?」

 今シーズンに入ってから、『3回転アクセルが飛べなくなったヴィクトリア篠宮!』と世間を騒がせたのを、浅田も心配してくれたのだろう。

「あ……実は映像解析してもらって、降りれない原因は分かったんです」

「へえ。じゃあもう、大丈夫?」

 浅田がそう言って首を傾ける。

「いえ。今は4/6位の確率で……。原因は『プレッシャー』みたいで、自分の気の持ちよう、なんですけど……」 

 ヴィヴィは困ったように笑いながら、現状を包み隠さず伝える。

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