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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第56章

「じ、自分で階段昇れますっ!!」
そう焦って抵抗するヴィヴィに、皆がさらに笑う。
「はいはい。じゃあ、そろそろ未成年は解放してあげようかしらね。お酒を飲み始めると、ついついディナーの時間が伸びちゃって」
祖母がそう言って皆を見渡せば、
「そうだね。我々はサンルームへと移動して、飲み直そうじゃないか」
祖父がそう続けて、皆が賛同して席を立つ。
そして、もれなく『教育兄』は、
「ヴィヴィ……お勉強の、時間……」
「……――っ せ、せめて、シャワー浴びさせてっ! 目を覚まさせてぇ~っ!!」
そう必死の形相で、クリスのシャツに縋り付いてヴィヴィが懇願すれば、
「ふぅ……。しょうがない……」
とクリスは折れてくれたのだった。
熱いシャワーで何とか覚醒したヴィヴィが、バスローブを纏いバスルームから出ると、ちょうどクリスが入ってきたところだった。こちらもシャワーを浴びた後のようで、ラフなルームウェアに着替えている。
「ヴィヴィ、サンルームで、飲んでる声が、五月蠅すぎて……、ライブラリーで勉強するの、無理っぽい……。こっちか、僕の部屋か、で勉強しよう……?」
クリスのその説明に、ヴィヴィは髪をタオルで拭きながら返す。
「あ、じゃあ、クリスの部屋でいい?」
「了解……。髪、乾かしといで……」
「ん~」
ヴィヴィは言われた通り髪を乾かすと、勉強が終わったら速攻ベッドに入れるようにと、愛用している踝丈の半袖ナイトウェアと纏って部屋を出た。
「本当は、今すぐでも、寝かせてあげたいんだけど……。明日、移動ばかりで、あんまり勉強時間、取れないから……」
そう言って少し申し訳なさそうにヴィヴィの頭を撫でてくるクリスに、ヴィヴィは苦笑する。
「クリスが謝るとこじゃないでしょ? 大丈夫。ヴィヴィのスケジュールを管理してくれているクリスには、ちゃんと感謝してる。いつも、ありがとね?」
ヴィヴィもクリスの髪をくしゃくしゃと撫でると、
「じゃあ、やっちゃいますか~っ!」
と気合を入れ、キングサイズのベッドに飛び乗り、ベッドヘッドに凭れ掛かる。そして何故かクリスもベッドに昇ってくる。

