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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第57章
2つあるうちの1つの個室に入り鍵を締めると、マキシ丈のワンピースの裾を、かすかな衣擦れの音と共にたくし上げていく。
そして腰までまくり上げて露わになったピンク色のショーツを、恐る恐る下していく。
そこ――ヴィヴィの恥ずかしい場所とショーツの間には、透明な糸が引いていた。
「……――っ」
ヴィヴィの頬がさっと朱に染まり、いま目にした淫らな事実を無かった事にしようとしてか、その手からたくし上げていた裾が落ちていく。
(お兄ちゃん、の……意地悪……)
薄い唇を噛んだヴィヴィは、心の中で匠海を詰る。
匠海は気づいていただろう。
腰に添えていた掌から伝わってくる、熱と震え。
そこから、どれだけヴィヴィの躰が、『そういう意味』で火照っていたかを――。
「………………」
(どうせ……、ヴィヴィ、厭らしいもん……)
ヴィヴィはそう開き直るように頭の中で、はしたなく濡らしてしまった言い訳する。
(はしたない子、だもん……。だって、お兄ちゃんがヴィヴィの事、そうするんだもん……)
先ほどの匠海の掌の感触を思い出し、また膣よりも更に深いところがきゅんと疼く。
「…………はぁ」
ヴィヴィは小さく熱い吐息を漏らすと、こつりと個室の扉におでこをぶつけたのだった。