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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第59章      

 10月26日(土)。

 9:00からの公式練習では、ヴィヴィのアクセルは5/6回と精度が上がった。

「よっし。SPは予定通り、3回転アクセル入れるわよ!」

 サブコーチ達とのテレビ電話でジュリアンがそう下した決断に、チームからは異論はなかった。

 ホテルにいったん戻り、昼食をとって準備を整えたクリスは、16:00からの男子SPに備え、ホテルの目の前にある、試合会場のパレ・オムニスポール・ド・パリ・ベルシーに徒歩で出発した。

 グランプリシリーズのSPの滑走順は、世界ランキングの下位から滑走するため、参加選手10名のうち、クリスは最終滑走だった。

 そして女子SPも同日の18:45から控えているため、ヴィヴィは今回、クリスのリンクサイドには付き添えなかった。

 テレビの生中継で観戦したヴィヴィは、クリスがベートーベンの月光を練習通りに滑りきり、スタンディングオベーションを受けていることに、飛び上がって喜んだ。

「やっぱ、クリスは心臓、強いな~!」

 心の底からそう感嘆の声を上げたヴィヴィに、付き添ってくれていた牧野マネージャーが、うんうんと頷いて同意する。

「さ、次は、ヴィヴィの番だよ!」

「はい! クリスにいっぱい力貰ったし、頑張りますっ!!」

 ヴィヴィはそう元気よく言い切ると、すでにセットし終えていたヘアスタイルと化粧を再確認し、牧野と一緒に部屋を出て会場へと向かった。






「お疲れ様~っ!! 取り敢えず、二人ともSP1位での折り返しで、一安心ね!」

 ジュリアンが明るい表情で双子を見比べる。

「うん……。アクセル……き、決まってよかったぁ~~っ」

 ヴィヴィはそう言うと、ISUの公式ホテルのロビーで、ソファーの背凭れにぐったりと金色の頭を預ける。

「ああ……、あれはGOE(出来栄え点)、2.00(最高3.00)も出て、完璧だったね……」

 クリスがそう言って、隣のヴィヴィの頭を撫でてくる。

「クリスなんてほとんどのエレメンツのGOE、1.50以上だったじゃない! 超人かと思ったわっ!」

 ヴィヴィが両手を頭上に掲げ、そう呆れたように天井を見ながら発した時、

「何が超人だって?」

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