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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第60章
コート越しに背をまさぐる様に撫でられるのも、腰に添えられた手がその下の尻にも時折下され、まるで揉みあげるように撫でられるのも。
「お兄ちゃん……気持ちいいよぉ……」
そう甘ったるい声を早々に上げたヴィヴィを、匠海はその尻の下に腕を添えると、ひょいと持ち上げた。ヴィヴィは咄嗟に匠海の首へと両腕を回す。
匠海は廊下を抜け、リビングスペースを抜けると、その奥の寝室に据え置かれていたキングサイズのベッドの上に、ヴィヴィを膝立ちにさせた。
ベッドの上に昇った匠海は、ヴィヴィに上を向かせてまた深い口付けをくれる。
先ほどよりは優しいそれに、ヴィヴィは何とか付いていき、自分も匠海の舌を舐めて絡ませる。
ヴィヴィがその行為に夢中になっている間に、匠海は器用に妹のコートをその躰から抜き取った。
紺色のシャツワンピースの上から、ヴィヴィの小さな膨らみが揉みしだかれる。
一つひとつボタンが外され、露わになっていく胸元に匠海が吸い付いてくる。
「んっ あ、お兄……ちゃん……、あ、……っ」
ヴィヴィも匠海の纏っているシャツを脱がそうと両手を伸ばして、その腹のあたりから手探りでボタンを外していく。
ワンピースのボタンが外され露わになった細い肩のラインに、匠海が大きな口で噛みついてくる。それを繰り返していたかと思えば、そのまま吸い付いて、その口内で肩のラインを舌で撫でられる。
肌蹴たワンピースの胸元に忍ばされた大きな掌に、ブラ越しに乳房を揉まれる。
その気持ちよさに胸に意識を持っていけば、無防備になっていた首筋をべろりと舐めあげられ、ヴィヴィは「ひゃぅっ!?」と可愛らしい声を上げた。
匠海の大きな口で、噛み付かれるように鎖骨や首筋、肩に口付けが落とされていく。
吸い付かれる唇が、舐め取られる舌が熱い。
そこから吐き出される荒い息は、もっと熱い。
(あぁ……、ヴィヴィ、食べられちゃう、みたい……)
ヴィヴィの灰色の瞳が、うっとりと細められる。
食べられたいと思う。
肉も骨も全て噛み砕かれて、咀嚼されて、匠海の身体の一部になれたらきっと、もう、ヴィヴィは苦しまなくて済む。