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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第60章          

 ピクリと上がった細い両肩に匠海の掌が添えられ、ヴィヴィの躰は、ゆっくりとベッドに横たえられた。

 白いショーツだけを身に纏ったヴィヴィを、匠海が熱い眼差しでその上から見下ろしてくる。

「恥ずかしい、よ……」

 そう言って胸を隠そうとするヴィヴィの両手が、匠海によって拘束された。

「隠すな」

「う、うん……」

 その短い命令にヴィヴィは素直に頷き、匠海の首に両腕を絡ませて、上目使いに兄を見上げる。

 匠海は白いシーツに横たえたヴィヴィの躰の輪郭を、両手で辿っていく。

 まだ丸みの残る頬から細い首へ、その下に綺麗に浮き出た鎖骨。

 華奢すぎる肩のラインを過ぎると、その下の白く形の良い膨らみへ。

 そこだけは執拗に、その柔らかい感触を掌に馴染ませるように揉み解される。

「ん……、あんっ ふぅ、ふぅんっ はぁっ あ、んっ」

 そしてその中心で桃色に色付いた可愛らしい乳首へと吸い付くと、その手は薄い腹の上、細い腰のラインを辿っていく。

 匠海の指がヴィヴィの白いショーツへと指を引っかけられ、ゆっくりと下されていく。

(あ……、見られちゃう……。ヴィヴィ、たぶん、物凄く……)

「濡れてる」

 ヴィヴィの心の声を代弁するように、匠海がそのショーツの中の状態を言葉にした。

「だ、だって……、お兄ちゃんに、さ、触られるとっ、ヴィヴィ、気持ち、いいんだもんっ」

 ヴィヴィはじっと見下ろしてくる匠海を真っ直ぐに見つめて、素直に認めた。

 伝えたいと思ったのだ。

 自分がどれだけ匠海のことを男として愛していいて、触れてくれることがどれだけ嬉しいか。

「今日はえらく正直だな、良い事だ」

 匠海はそう言うと、ヴィヴィの腰からショーツを抜き取り、それも放ってしまった。

 そしてベッドヘッドから硬めの枕をいくつか取り上げると、ヴィヴィの腰の下に挟みその両膝を掴んで割り開いた。

「あっ は、恥ずかしっ やぁん……っ」

 ヴィヴィは今更ながらに気づいたが、寝室は結構明るかった。

 ベッドサイドのランプだけでなく、窓際に置かれたアンティークのライトや、壁の間接照明も灯っている。

「お、お兄ちゃん、で、電気っ 決して……?」

 ヴィヴィは懸命にそうお願いしたが、匠海は全く聞く耳を持たなかった。というか無視された。

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