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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第60章
ヴィヴィはコクリと頷くと、近くにあった羽毛布団を自分の躰へと引き寄せて口元まで被った。
それを横目で確認した匠海が、何でもない事のように電話に出た。
「ああ、マム? ……ヴィヴィ? ああ、こっちに遊びに来てる。……仲直り? ああ、したかな。……へえ、分かった。……ああ、何か食べさせる。……ああ、じゃあ、明日。おやすみ」
匠海が通話を切ったのを確認し、ヴィヴィは恐る恐る口を開く。
「マ、マム……?」
「ああ……。お前、体調悪かったのか?」
スマートフォンをベッドサイドに置いた匠海が、ぎしりと音を立ててヴィヴィを振り返る。
「……仮病。お、お兄ちゃんのところに、来たかったから……」
「……クリスが、心配してるって」
「そう……」
(クリス……とっても心配してくれたんだろうな……。ごめんなさい……)
さすがに仮病を使ったことに罪悪感を覚えたヴィヴィは、クリスに心の中で謝りながら、羽毛布団の陰で肩を竦める。
匠海がそんな自分をじっと上から見下ろしていることに気づき、ヴィヴィが小さく首を傾げる。
ほとんど音もなく羽毛布団を剥がれたヴィヴィは、先ほどまで全裸を匠海の前に晒していたにも拘らず、何故か恥ずかしくなって、胸の前で両腕をクロスさせた。
匠海はそんなヴィヴィの両足を掴んで広げさせると、また正常位でヴィヴィの膣に全く硬さを失っていな自分の陰茎を、文字通り捻じ込んできた。
「ふぅうんっ」
ヴィヴィが鼻に抜けるような喘ぎを漏らす。
(……もう一回、するのかな……?)
ヴィヴィのその疑問に答えるように、匠海がゆっくりとヴィヴィの膣内を往復する。
じゅぷ、ぐちゅり。
ヴィヴィの蜜と匠海の吐き出した白濁とが混じり合う粘着質な水音が、その聴覚を犯していく。
(凄い……お兄ちゃんの擦り付けられると、色んなところが気持ちよくなる……)
「あんっ おにいちゃぁん」
ヴィヴィが甘ったるい声を上げ、兄の首に縋り付こうと両腕を伸ばしかけたとき、匠海がふと口を開いた。
「ヴィクトリア、お前……クリスとやってないだろうな?」
「え…………?」
(やる……?)
ヴィヴィは慾に潤み始めた瞳を、不思議そうに匠海に合わす。