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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第60章          

「嘘をついてはいけないよ? 気持ちいいか?」

 そう言われ、唇にチュッと吸い付かれ、ヴィヴィは夢見心地で頷く。

「うん。お兄ちゃんので、いっぱいで……気持ちいい」

 くしゃりと笑ったヴィヴィに、匠海は笑みを深くする。

「じゃあ、もっと気持ちよくなろうか」

 匠海はそう言うと、何故かヴィヴィの中から一旦抜いた。

「抜いちゃう、の……?」

 切なそうにそう呟いたヴィヴィに、匠海は「すぐ入れてあげる」と頭を撫でる。

 ヴィヴィを抱き上げた匠海は、何故かキングサイズのベッドの足元へ移動する。

 そして自分はベッドの端に股を開いて腰かけると、その中心でそそり起った陰茎の上に、ヴィヴィの腰を落としていく。

 匠海の胸に背を預けながらゆっくりと呑み込まされるそれに、ヴィヴィが華奢な体を震わせる。

「あんっ あ、お兄ちゃんっ あ、恥ずかしいっ あ、入って、入ってくっ あぁん」

 腰を支えられながら匠海のほとんどを受け入れたヴィヴィは、その初めての体位に勝手がわからなくて、恐々と匠海の胸に背を預けている。

(後ろから挿れられるの、初めてで、ちょっと怖い……)

 そんなヴィヴィを宥める様に、匠海はヴィヴィの肩の輪郭を撫で擦り、そしてその下に晒された無防備な胸へも這わせてきた。

「ヴィクトリア、前を見てごらん」

 耳元でそう囁かれ、ヴィヴィはふっと前を見る。

 そして、その視線の先にあるものを瞬時に察知し、小さく悲鳴を上げた。

「やっ!?」

 視線の先の寝室の壁には、大きな鏡が据え付けられていた。

 そこに映るヴィヴィの華奢すぎる裸体と、匠海の逞しい躰。そして、

「ほら、ヴィクトリアの小さな膣に、俺のが入ってるよ」

 その言葉の通り、大きく開かれた匠海の腰の上に乗ったヴィヴィの躰の中心が、兄の太い陰茎に貫かれている様子がはっきりと映っていた。

「いやぁっ」

 ヴィヴィはあまりに卑猥な光景に、視線を逸らす。

「ちゃんと見て。ほら、ヴィクトリアが『俺だけのもの』だって、証明してるんだから」

 そう耳元で甘く囁かれ、ヴィヴィが戸惑いの声を上げる。

「……え……?」

(お兄ちゃんのものっていう、証明……?)

 その言葉につられ、恐る恐る鏡を見つめると、そこに映りこんだ匠海の瞳が、細められる。

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