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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第61章       

「そんなことで嫌いになんて、なるわけないだろ? ……逆に、溺れそうで怖い」

「……え……?」

「ヴィクトリアのこの幼い躰に、溺れそうで……。俺も怖い……」

 そう言った匠海は妹の首筋に顔を埋めた為、ヴィヴィからはその表情が見えなかった。

 けれど、匠海が嘘を言っているとは、ヴィヴィには思えなかった。

 それほどその声は、熱くて、濡れた声音だったから――。

 ヴィヴィの胸が、きゅうと締め付けられる。

「………………」

(お兄ちゃん……溺れて……。

 ヴィヴィの躰に溺れて。

 そして一生……、ヴィヴィのこと、手放さないで……)

 ヴィヴィはひとつ瞬きすると、やがてうっとりと、灰色の瞳を細める。

 その潤んだ唇が、まるで歌うように言葉を紡ぐ。

「なんか、夢の中、みたい……。

 幸せで、温かくって、気持ちよくって……。

 お兄ちゃんが、こんなに傍に居てくれて……。

 ヴィヴィ、もしかして……夢、見てるのかなぁ……」

「馬鹿。こんなリアルな夢、あってたまるか……。そして寝るな!」

「……へ……?」

 匠海の指摘通り、寝入る寸前だったヴィヴィは、間抜けな声を上げる。

「お前、昨日試合であんなに体力消耗したのに、ディナー取ってないだろ?」

「ああ、そういえば……」

(胸がいっぱいだったから、忘れてた……そういえば、お腹空いたような……)

 ぐぅ~~。

 馬鹿正直なヴィヴィのお腹の虫が、今頃空腹を覚えて鳴いた。

「ふっ ほんと、お前の腹の虫は奔放だな!」

「ご、ごめんなさい」

 ヴィヴィが頬を赤らめて謝る。

「ちょっと待ってろ」

 匠海はそう言ってヴィヴィをぎゅうと抱きしめると、拘束を緩めて妹の膣から己のまだ固い陰茎を抜き取った。

「ふぅんっ」

 思わず声を上げてしまったヴィヴィの頭をポンと撫でた匠海は、そのまま寝室を出て行ってしまった。

(………………?)

 ヴィヴィは躰を横たえたままぼうとしていたが、腰にバスタオルを巻いた匠海がワゴンを押して戻ってきた。

「……お兄ちゃん?」

 不思議そうに匠海を呼んだヴィヴィの傍に、ワゴンから大きな皿を手にした匠海が戻ってくる。

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