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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第61章
そんなヴィヴィの躰をひょいと横抱きした匠海は、ガラス戸を開け、横にあるバスタブへと近づくと、その縁へと腰かけた。
匠海の膝の上に横抱きに座らされたヴィヴィは、顎に指を添えられて上を向かされる。
「ヴィクトリア。俺のこと、見て」
「……お兄、ちゃん……」
ヴィヴィが涙を湛えた瞳で、匠海と視線を合わせる。
「俺はちゃんと、ヴィクトリアの事、見てるだろう?」
「うん……」
「それでも怖いか?」
「……怖く、ない……」
ヴィヴィは匠海の灰色の瞳の中に、ちゃんと自分が映り込んでいることを確認し、そう呟いた。
そんなヴィヴィに苦笑した匠海は、泣き濡れた頬に唇を寄せて涙を吸い取るように口付ける。
擽ったそうに強張っていた頬を緩めたヴィヴィに、匠海が微笑む。
「ヴィクトリアのこと、抱きたいんだけど、いいか?」
(……お兄ちゃん……)
覗き込んでくる匠海の瞳がとても真摯で、ヴィヴィの胸はぽうと光が灯った様に暖かくなった。
「うん。ヴィヴィも、お兄ちゃんのこと、いっぱい感じたい」
「いい子だ」
匠海はそう言ってヴィヴィの唇をチュッと啄ばむと、妹の片足を掴んで自分の腰へと跨がせる。
ヴィヴィの細い腰を両手で掴んだ匠海は、いまだ剛直を失わない自分の陰茎に妹の膣口をあてる。
そしてくちゅうという小さな蜜音をさせながら、ヴィヴィの蜜壺へと入り込んできた。
「お兄ちゃんっ あっ ぁあんっ」
ヴィヴィは分け入ってくる匠海の質量に、兄の肩に乗せた手を震わせながら、少し苦しそうにも見える表情でギュッと瞼を閉じる。
「ヴィクトリア。目開けて。俺のこと、見て」
匠海はそう言うと、ヴィヴィの腰を落とす手を止めた。
ヴィヴィは恐る恐る瞼を上げて、目の前の匠海を見つめる。
「お兄ちゃん……?」
「ヴィクトリアも俺の事、ちゃんと見てろ」
そう言って少し悪そうに笑った匠海に、ヴィヴィの胸が疼く。
「うん……。あっ ぁああっ あ……、太ぃっ ふぁああんっ」
再び落とされる自分の腰が、その中心で匠海の欲望の証を銜え込まされていくさまに、びくびくと戦慄いているのが分かる。