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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第63章
そのヴィヴィの心の声を読み取ったように、匠海は続ける。
「そんなことしなくても、お前は十分可愛い」
「え……? んんっ!」
不思議そうな声を上げたヴィヴィの唇を、匠海は下から強引に奪ってきた。
(えっ!? え……?
今、お兄ちゃん、ヴィヴィのこと、可愛いって……。
き、聞き間違いだよね……?)
そんなヴィヴィの混乱などつゆ知らず、匠海は執拗に妹のその薄い唇を吸ってくる。
ちゅっちゅっと、可愛らしいリップ音を立て、匠海はヴィヴィの唇の表層を啄む。
たまに下唇をちゅぽっと音を立てて吸い上げられたかと思うと、ぺろぺろとヴィヴィの唇の味を確かめるように舐め上げられる。
(なんか、ワンちゃんみたい……)
そう思うとなんだか匠海のキスがくすぐったく感じて、ヴィヴィは身を捩りながらも、薄いニットを纏った匠海の広い肩に縋り付いた。
「このワンピース、清楚でいいな。自分で選んだのか?」
唇を離した匠海がそう言って、自分の足を跨らせたヴィヴィの膝から上を、しげしげと見つめてくる。
五分袖のそれは、胸から上は白く透け感のあるシフォンで、胸下の大きな黒いリボンから下は膝丈の黒いスカートという、シンプルなものだった。
「う、うん……。お兄ちゃん、エディンバラで着てたの、気に入らなかったみたいだったから……」
「うん?」
匠海は覚えていないのか、不思議そうにヴィヴィを見上げてくる。
「えっと、紺地に白い水玉の、ベアトップのワンピ……」
「ああ……あれば別に、気に入らなったわけじゃない。よく似合っていたし……」
斜め上を見つめて思い出したらしい匠海はそう言うと、ぽすりとヴィヴィのワンピースの胸に、彫りの深い顔を埋めてくる。
匠海の綺麗な鼻筋がヴィヴィの柔らかな胸に布越しに押し付けられ、途端にその鼓動が跳ね上がった。
「え……? でも、あんなに怒って……」
「……お前が、あんなに肩やら胸やら出すからだろ」
匠海はそう言いながら、ワンピースに包まれたヴィヴィの胸に頬ずりし、そしてその大きな掌は、妹の華奢な背中と腰を、まるで壊れ物を扱うような仕草で撫で上げてくる。
その緩慢な刺激にも、ヴィヴィはぴくりと華奢な肩を震わせた。