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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第63章
瞼を閉じてまるで甘えるように頬ずりを繰り返す匠海に、ヴィヴィはその兄のサラサラの黒髪に指を入れて梳かしながら、ぼそりと呟く。
「……どうせ……『棒っきれ』だもん……」
妹のその拗ねたような声に、匠海は胸に顔を埋めながら苦笑する。
「そうじゃない……そうじゃなくて――」
「………………?」
「俺以外に見せるな、ってこと」
「……え……?」
匠海のその答えに、ヴィヴィは小さな声を漏らし、瞳を瞬く。
(お兄ちゃん、以外に……? それって、つまり――)
「独占、欲……?」
ヴィヴィがついぽろっと口にしてしまった心の声に、胸の中の匠海がむっとした表情で見上げてきた。
「お前、調子に乗るなよ?」
「ご、ごめんなさい」
焦ってそう謝るヴィヴィの腰を掴んで、匠海は自分の腰の上に座らせる。
「……ヴィクトリアは『俺のもの』なんだろ? だったら当然、俺の前以外での、肌の露出は控えろ」
目の前できちんと瞳を合わせてそう言ってくれた匠海に、ヴィヴィの表情がみるみる輝く。
「……――っ うんっ!!」
そう素直に頷いたヴィヴィに、匠海が唇を寄せてくる。
何度も角度を変えてお互いの唇を啄んでいた兄妹は、やがてどちらからともなく、深く貪り合った。
(お兄ちゃんの舌……気持ちいい……。いつもその舌で、ヴィヴィの事からかったり、励ましてくれたり……、可愛がってくれたり……)
差し込まれた舌をぺろぺろと子犬のように舐めると、匠海が良く出来ましたとでも言うように絡め捕り、舐め返してくれる。
匠海の舌に敏感な粘膜を擦られるたび、ヴィヴィの躰が徐々に歓喜に震え始める。
「んっ ふぅ……、はぅっ」
唇の端から零れるヴィヴィの可愛らしい喘ぎさえも吸い取るように、匠海はさらに深く妹の唇を求めてくる。
そしてヴィヴィは、自分が座らされている匠海の腰が、その中心を昂ぶらせている事に気づき始める。
ヴィヴィのショーツに包まれた柔らかなそこを、細身のパンツの中で窮屈そうに身を潜めている匠海のそれが固く押し返してくる。
(お兄ちゃん……ヴィヴィの事、感じてくれてる……)
その反応が嬉しくて、ヴィヴィは自分の恥丘をそっと匠海のそれに押し付けてみた。