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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第63章        

(こんなに大きく足開かれて、躰いっぱい密着して……。

 お兄ちゃんの腰、ヴィヴィにいっぱい擦り付けられて。

 違うのに、そんなのじゃないのに……、

 お兄ちゃんの心も躰も全て、受け止めてるみたい……)

 しばらく腰を震わせながらヴィヴィに覆い被さっていた匠海は、やがてそのままごろんと転がり、体勢を逆にした。

 匠海の躰の上に乗せられたヴィヴィは、ふにゃりとその肢体を弛緩させ、しばしの休息を取らせてもらう。

(さ、さすがにちょっと、疲れた……)

 あまりの驚きの連続で忘れそうになるが、ヴィヴィは昨日と今日、試合に全勢力を注いでいたのだ。

 くたりと匠海の肩に頭を預けてくるヴィヴィに、兄がよしよしとその金色の頭を撫でてくれる。

 乱れてしまったその髪を梳いたかと思うと、妹の華奢な躰の輪郭を確認するように優しく掌で触れられる。

「お兄、ちゃん……」

 ヴィヴィが甘ったるい声で匠海を呼ぶ。

「ん?」

「気持ち、よかった……?」

 ヴィヴィは恥ずかしながらも、そう確かめずにはいられなかった。

 自分は身も心も虜になっている匠海とのこの行為に、途轍もなく満たされているが、匠海は果たして満足してくれているのかと、考え始めると不安で仕方がない。

「ああ。俺もヴィクトリアの中で、イっただろう?」

「う、うん……」

(そ、それだけの意味じゃないんだけど……)

 困ったな……と、匠海の胸の上で小さく身じろぎしたヴィヴィを、兄がぎゅうと優しく抱きしめてくれる。

「本当に、ヴィクトリアの中は、きつくて、熱くてトロトロで気持ちいい」

「そ、そう……?」

 そうあからさまに膣の具合を褒められても、ヴィヴィはなんと返していいやら分からず、曖昧に相槌を打つ。

「ああ。ずっと入っていたい」

 匠海は苦笑と共にそう言うと、まだヴィヴィを貫いたままの己の陰茎を、くちょくちょと卑猥な音を立てて抜き差しする。

「あっ ……え、えっちっ」

 ヴィヴィはそう言って、なんだかとても厭らしく腰を動かしてくる匠海を詰る。

「これだけ蕩けさせてるお前のほうが、エッチだろ?」

 匠海は負けじとそう返してくる。

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