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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第63章        

 匠海に背を向けた状態で兄の陰茎を呑み込まされるヴィヴィは、貫かれる快感に腰を震わせながらも、恐々と口を開く。

「お、お兄ちゃん……。ヴィヴィ、後ろ、怖い……」

「ん? まだ、怖い?」

 匠海がヴィヴィの膣内に深く陰茎を収めた後、優しい声で尋ねてくる。

「うん……。だって、お兄ちゃん、見えないもん……」

 ヴィヴィはそう言って目の前を見つめる。

 パリのホテルにはそこに大きな鏡があり、物凄く恥ずかしかったが、匠海の姿を確認できたから怖くなかった。

 けれどこのミュンヘンのホテルには、それがない。

 躰は確実に繋がっているのに、匠海の顔が、表情が見えないこの体位が、ヴィヴィは異常に怖かった。

(まるで、今の自分の置かれている状況、みたいで……)

「痛い訳ではないんだな?」

「え? う、うん……痛くはないよ?」

(き、気持ちいいもん……っ)

 匠海の確認に、ヴィヴィは素直に頷く。

「俺がヴィクトリアを後ろから抱きたいのは、お前の胸も、可愛がりたいからなんだ」

「え……?」

「後ろからも、ヴィクトリアのこの柔らかくて気持ちいい胸、可愛がらせて」

 匠海はそう言うと、ヴィヴィを自分の胸に凭れ掛けさせ、後ろから両手で妹の小さな乳房を鷲掴みにした。

「あ……っ はぅん」

 そのまま柔らかく揉み込まれ、ヴィヴィが鼻から抜けるような小さな喘ぎを漏らす。

(あ……後ろから触られるの、なんか、ドキドキする……。なんでだろう? すごく切なくて……、中、きゅんきゅんする……っ)

「ふぁあっ お兄ちゃんっ あ、あぁあんっ ふぅうん……っ」

 ヴィヴィの喘ぎがだんだん甘くなっていく。

 匠海の胸と自分の背が密着し、兄の鼓動が背を伝って感じることが出来るからか、前回のように泣き出すほどの恐怖は感じなかった。

「まだ怖い? じゃあ、ヴィクトリアの名前、ずっと呼んであげる」

「あ、ぁあんっ ふぅう……、指……、優しい、のっ ぁああん……っ 好きぃっ」

 自分の脇下から差し込まれた腕が、優しくヴィヴィの白皙の胸を揉み込んでくれると、その膣粘膜はその刺激に連動したように、匠海の太く長いそれをきゅうきゅうと締め付けてしまう。

「ヴィクトリア……」

「ぁああっ おにい、ちゃぁんっ あ、ぁあ……っ」

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