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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第63章        

 ぱっと後ろの匠海を振り返れば、腰の動きを緩めた兄がにやりと悪そうに微笑んでいる。

「ほら、『お兄ちゃんのでイく』って、言ってごらん? それとも、『お兄ちゃんのペニスでイっちゃう』のほうがいいかな?」

「やぁあんっ や、やめてぇっ ぁあんっ は……、恥ずかしいっ!!」

 ヴィヴィは泣きそうな声で匠海を制止するのに、兄はとても楽しそうに続ける。

「ほら、言ってごらんっ? ヴィクトリアっ 『お兄ちゃんのペニ――」 

 まだ卑猥な言葉を発し続ける匠海に、ヴィヴィは自分の唇で兄の大きな口を塞いだ。

 いきなりキスで遮られるとは思っていなかったのか、匠海は一瞬びくりとしたが、やがてヴィヴィの口内までも、その巧みな舌づかいで蹂躙し始めた。

 そして緩めていた腰の動きを加速させ、クリも痛みを感じるほど弄り倒してくる。

「んぅっ ふぅ……っ うぅうんっ!? んーっ んんっ ぁ……――っ!!」

(ふぅああっ イっちゃうっ お兄ちゃんの、おっきなペニスで、はしたなく、イっちゃう――っ!!)

 ヴィヴィは結局、匠海の口内に全ての喘ぎ声を吸い取られながら、達してしまった。

 がくがくと震えるヴィヴィの躰を後ろから抱きしめた匠海は、名残惜しそうに唇を離し、少し汗でしっとりしたその首筋に舌を這わす。

「ああ、イっちゃったな……。俺ので掻き回されて、イっちゃったな、ヴィクトリア?」

 そうまだ熱い息のまま首元で囁かれ、ヴィヴィは朦朧とした意識のままこくりと頷く。

「もうこんなになってたら、怖くないだろう?」

(……え……?)

 そう言った匠海は大きく開いていた股を閉じると、まだ貫いたままのヴィヴィを跨らせ、ゆっくりと前方に躰を倒していく。

(お兄、ちゃん……?)

 もう力が入らないヴィヴィは、匠海のその行動にされるがままだった。

 ぴったりと密着していた匠海の胸が、ゆっくりと自分の背中から離れていく。

「……え……? やぁ……っ」

 ヴィヴィが途端に不安そうな声を上げ、目の前に広がる白いシーツを両手で握りしめる。

 胸から下は匠海の膝上から太ももと触れ合っているが、背中がスースーして、なんだか不安になる。

「この細い背中も、可愛がらせてくれ」

 匠海はそう言うと、大きな両掌でヴィヴィの華奢な背中を撫で始めた。

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